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"親族席から消された母と24年目の離縁" 第2話

夜がけ、結婚式当の朝がやってきた。

私はいつもと同じに起き、普段着のエプロンで朝の準備を始めた。

階段をりてきたゆうとは、化粧もしていない私の姿を見てを止めた。

「本当にかないんだね」

その声には、かすかな戸惑いが混じっていた。

どこかで彼は、私がこっそり式の隅で見守ってくれるとでもっていたのだろうか。

私は振り返らずに、まな板ののネギを刻み続けた。

「ええ、いってらっしゃい」

私はを止めず、言葉を続けた。

「忘れ物はない。今だから気をつけてね」

ゆうとはさく息を吸い込んだ。

「うん。ってくる」

ゆうとはそれ以何も言えず、玄関へと向かった。

いドアがき、たい朝の空気が流れ込んでくる。

かず彦も私に目をわせることなく、逃げるようにを追っていった。

る音が聞こえ、には計の秒針の音だけが残された。

私はを止め、誰も座ることのない卓の子を見つめた。

これで良かったのだと、自分に言い聞かせる。

、あの華やかな式に私の居所はない。

親族席には、24れて暮らしていたさやかが座る。

彼女がゆうとの本当の母親として、祝福を受けるのだ。

私は流し台にをつき、さく息を吸い込んだ。

ぽっかりといたの穴を、たいが吹き抜けていくだけだった。

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テーブルのには、私の名が引かれた招待状が残されている。

私はそれをに取り、引きしの1番奥へとしまった。

突然、居の固定話が鋭い音をてて鳴り響いた。

液晶画面には、かず彦の妹であるみえ子の名が表示されている。

私はしだけ躊躇してから、受話器を取った。

「もしもし」

受話器の向こうから、切羽詰まった声が聞こえた。

「けい子さん、今どこにいるの」

みえ子の声は、周囲のざわめきに負けないようにきかった。

からは、式の控の華やかな笑い声が聞こえてくる。

私は壁の計を見げながら、静かに答えた。

「みえ子さん、ごめんなさい。私、今はそちらには伺わないの」

話の向こうで、みえ子が息をむ音がした。

「え、伺わないってどういうこと。具でも悪いの」

私は受話器を握り直し、淡々と言葉を紡いだ。

「ゆうとが、親族席にはさやかさんに座って欲しいと言ったの」

話の向こうで、みえ子が再び息をむ気配が伝わってきた。

「ちょっと待って、さやかさんって」

みえ子の声が、わずかに震えた。

「あのさやかさん。どうして今更」

私は線をに落とし、静かに続けた。

「ゆうとが決めたことだから、お祝いの席を壊したくないし、私はこれでいいの」

みえ子は調で反論してきた。

「でも、それじゃあけい子さんが24やってきたことはどうなるのよ」

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親族ので、私がゆうとを引き取ったの経緯を最もくで見ていたのは彼女だ。

私は目を閉じ、ゆっくりと息を吐きした。

「みえ子さん、ありがとう」

私は言葉を切らずに続けた。

「でも今はゆうとのれのだから、あの子の選んだお母さんを、みんなで祝ってあげてね」

私は話を切り、受話器を置いた。

これで親族たちにも、私のの理由が正確に伝わったはずだ。

の控で、今頃みえ子がどんな顔でかず彦を問い詰めているか、像に難くない。

かず彦はもう、逃げ隠れすることはできないだろう。

私は部の隅から、ゆうとの名義で作った古い通帳を取りした。

彼が医学部に学した、私のパート代を全額注ぎ込んで作った教育資座だ。

はゼロだが、記帳された履歴には24みが詰まっている。

私はそれを提げ庫に戻し、鍵をかけて押入れの奥へと押し込んだ。

から私はただの同居として、このきていく。

泣いて過ごすつもりはない。

私は窓際に歩み寄り、空を見げた。

は溜まっていた窓ガラスの掃除でもしよう。

私がこのきてきた24は、誰に否定されても消えるものではないのだから。

計の針が、午11を指した。

今頃、結婚式の参列者がチャペルに入り始めているだ。

私は1、2階にあるゆうとの部っていた。

彼がしいマンションへ引っ越したに残していった荷物が、部の隅に積まれている。

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