"余命1年の少年が託した、移植心臓の奇跡" 第3話
俺はちがり、太の肩を抱き寄せながら、女性に向かってくをげた。
「俺は、健太郎と言います。息子を危険から助けてくださって、本当にありがとうございました」
「いえ……」
女性はハッとして顔をげ、恐縮した様子で慌ててをげ返した。俺はスーツのポケットを探り、濡れていない名刺を取りして彼女に差しした。
「あの、実は俺、くの総病院で臓科医をしているんです」
女性は名刺を受け取り、目を丸くした。
「もしよろしければ、息子さんを度、俺の病院で診察させていただけませんか? どうか、恩返しをさせてください」
「え、でも……そんな……」
女性は突然の申しに戸惑った表を見せ、線を泳がせた。見ずらずの男からの申しに警戒するのは当然だ。 すると、蓮君が母親の袖を軽く引っ張った。
「ママ、いいよ。この、すごく優しそうだもん」
蓮君はそう言って、俺に向かってまたふんわりとした笑顔を見せた。だが、その笑顔の裏に隠された、息苦しさや体な痛みを、俺は医師として確実に見抜き、じ取っていた。
俺はしゃがみ込み、蓮君と目線をわせた。 「ねえ、君の名は?」
「僕は藤崎蓮。8歳だよ」
隣で太も元気よく名乗った。 「僕は太! 6歳!」
太は蓮君のにみた。 「蓮君、本当にありがとう。僕を助けてくれて」
「どういたしまして。
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太君、元気でね」
の子供は、照れくさそうにしながらも、笑顔でさなを握りい、握を交わした。その無垢な景を見て、俺の胸の奥底から、い何かが込みげてくるのをじた。
(このを、絶対に助けたい)
俺の息子の切な命を救ってくれた恩を、このまま見捨てるわけにはいかない。俺の持つ全ての技術を使ってでも、彼を救う。その決が固まった。
「……私、藤崎美都と言います。あの、本当に、診ていただけるんですか?」
美都さんは、名刺を両で握りしめながら、と期待が入り混じった瞳で俺に聞いた。
「もちろんです。非、俺に力にならせてください」
俺が力く頷くと、美都さんは堰を切ったように涙を流し、芝に額がつくほどくをげた。
「ありがとうございます……! 非、よろしくお願いします……!」
その震える声には、い誰にも頼ることができず、たったで病気の子供を抱えて戦ってきた、計りれない疲れと絶望が滲んでいた。俺は彼女の肩にそっとを置き、必ず力になるとので誓った。
翌。俺は病院に勤するなり、藤崎美都さんから提供された報を元に、蓮君の以の通院先からカルテを取り寄せた。 子カルテの画面に表示された、の病院から送られてきた詳細なデータを見て、俺はわず息をんだ。
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『拡張型筋症による症全(先性臓病)。臓移植が必須。ドナー待。余命、約1』
画面に並ぶ無質な文字が、俺の胸にくのしかかる。 (あの細くさな体で、こんなにもく残酷な病気と戦っているのか……)
マウスを持つがし震えた。 (これは、俺が像していた以に、相当厳しい状態だな……)
エコーのデータを確認すると、臓のポンプ能が著しくしており、全に血液を送りす力が限界にづいていることが分かった。このままでは、ドナーが見つかるに、体が持たずに力尽きてしまう能性が極めてい。刻の猶予も許されない状況だった。
そのの午。約束通り、美都さんが蓮君のを引いて俺の病院にやって来た。 蓮君は診察の丸子にしく座り、俺の検査を受けた。聴診器を胸に当てると、トクン、トクンと、臓が懸命にいている音が聞こえる。だが、その音は健康な子供の力い鼓とは違い、どこか々しく、規則な雑音が混じっていた。
「蓮君、最、体調はどう?」
俺が優しく尋ねると、蓮君はしだけ首を傾げて答えた。
「うん。ちょっとだけ疲れやすいけど、僕、頑張ってるよ」
蓮君は、配させまいとするようにるく答えた。
「そっか。偉いな。蓮君はいよ」
俺は蓮君のを優しく撫でた。 通りの診察と検査を終えた、俺は美都さんとだけで話をするを設けた。
蓮君には、待で用した絵本を読んで待っていてもらった。