"5足の男物スリッパと偽装不倫の罠" 第4話
から見れば、机の位置も棚のさもはっきりと分かる。
マリカが私の部の写真を撮った理由が、急にく恐ろしいものにじられた。
そのの夕方、のり子から翌の事会をらせる連絡が裕介の携帯に入った。
そのメッセージに、私の名はかれていなかった。
裕介だけを実へ呼ぶ、骨な言い方になっていた。
裕介は画面を見たまま、い声で言った。
「俺だけ来いってことか」
裕介は携帯話をポケットへしまった。
「でも、咲も緒にこう」
私はし戸惑い、彼を見た。
「呼ばれていない所へけば、また私が波をてたことにされる」
私は続けて提案した。
「1でってもいいよ」
裕介はきっぱりと首を横に振った。
「の話をするなら、咲がいない方がおかしい」
裕介は私をまっすぐに見つめた。
「今までそこを曖昧にしてきたのは、俺だ」
彼が自分の責任をはっきりとにしたのは、これが初めてだった。
翌、私たちはのり子の暮らす古い団へ向かった。
団の暗い階段には、誰かが作った煮物の甘辛い匂いが残っていた。
玄関をけたマリカは、私の姿を見るとあからさまに目を細めた。
「お兄ちゃんだけだとってた」
裕介が妹のへち、先に答えた。
「のことを話すなら、咲も必だ」
居にはのり子だけでなく、のり子の姉であるきよこさんとその夫も座っていた。
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古いちゃぶ台のには、寿司の折り箱と湯呑みが綺麗に並んでいたが、私の箸だけが置かれていなかった。
のり子は困ったような、わざとらしい笑い声をあげた。
「急だったから、数を違えたのよ」
私は何も言わず、台所へ向かって菜箸を1本借りてきた。
る言葉はもう無かった。
事が始まると、きよこさんがマリカの仕事について尋ねた。
マリカは寿司をつまみながら、ため息をついて答えた。
「今の職がくて疲れるの」
マリカはちらりとこちらを見た。
「兄さんのなら、駅にもいしね」
マリカはさらに続けた。
「空いている部もあるし」
私は箸を置かずに、静な声で答えた。
「空いていません」
私はマリカの目を見た。
「私が毎仕事で使っています」
きよこさんの夫が気まずそうに線をそらし、湯呑みを持ちげた。
のり子は親戚のでは決して声を荒げなかった。
「しのだけ助けえないかという話なの」
のり子は劇の母親を演じるように伏し目がちになった。
「族なら、そのくらい普通でしょう」
私は元の箸をきちんと揃えて置いた。
「期も条件も、私たちは聞いていません」
私はのり子の目をまっすぐに見据えた。
「それに昨は、の類まで探そうとしましたね」
ちゃぶ台ので、マリカの箸がピタリと止まった。
のり子はすぐにの良い笑いを作って取り繕った。
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「探してなんかいないわ。どこにしまっているのか聞いただけでしょ」
私は追及のを緩めなかった。
「なぜる必があるんですか?」
私は裕介の方を度見た、きっぱりと言った。
「共名義のですから、夫婦で管理しています」
きよこさんが、鋭い線をのり子へ向けた。
その瞬だけ、姉妹のにたい何かが通った。
きよこさんが、さな声で探るように言った。
「のり子さん、例の用はどうしたの?」
のり子のが、醤油差しので自然に止まった。
マリカは慌てて、きな咳払いをした。
「姉さん、その話は今じゃないわ」
のり子は寿司の折り箱をかし、引に話題を変えた。
例の用。
私は昨、机の奥から落ちたあのさな付箋をいした。
『共名義』と『婚はどうなる』という文字が、気にに浮かんだ。
裕介もその会話を聞いていたはずだったけれど、彼はそので母親を問い詰めなかった。
事の、のり子は台所での果物を切っていた。
私は空いた湯呑みをげるため、流し台へ向かった。
マリカは居で、きよこさんと声でひそひそと話していた。
私の音に気づくと、2は急にピタリと声を止めた。
流し台の切りカゴの横に、い封筒が伏せて置かれていた。
端の方に『区役所』という文字だけがかすかに見えていた。
のり子は私の線に気づき、素く布巾を封筒のへねて隠した。