"5足の男物スリッパと偽装不倫の罠" 第7話
扉を閉めると、裕介がい息を吐いた。
「スリッパのことを気にしていたように見えた」
私も同じ見だった。
「私もそうった」
防犯設備の担当者は、作業に戻るに靴箱を避けて脚を置いた。
その、靴箱の角がしだけへはみた。
あのスリッパをのり子が置いたのか、マリカが持ち込んだのか、まだ決めつけることはできなかった。
ただ、2のどちらかが、私たちのらない来客を定して準備していた。
それだけは、5という数が雄弁に語っていた。
昼過ぎ、あき子さんが庭先から私へ声をかけてくれた。
事の音が気になり、様子を見に来たらしい。
私は先ののり子たちの訪問について、もうし詳しく尋ねた。
あき子さんは記憶をたどり、指を折りながら教えてくれた。
「妹さんが、段ボールを1つ持っていたわ」
あき子さんは振りを交えた。
「そうではなかったけれど、両で事そうに抱えていた」
私がを尋ねた。
「何頃でしたか?」
あき子さんはいしながら答えた。
「お昼よりしだったとう」
それは、私が取引先へた1のことだった。
あの気な箱が靴箱に入れられた刻が、初めて確かな形になった。
あき子さんはさらに声を落とし、周囲を気にした。
「帰る、お母様が『まだい』って言っていたの」
何がいのかまでは聞こえなかったらしい。
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私はあき子さんに丁寧にお礼を言い、へ戻った。
玄関のしいカメラには、まだ保護用のい膜がついていた。
裕介は玄関先で、担当者から映像の保方法を真剣に教わっていた。
きされるに必な部分を確実に残せるよう、私たちは同じ順を何度も確認した。
以の彼なら、母親を疑うような作業から無識に目をそらしただろう。
しかし今の彼は、画面の刻を自分の帳へ几帳面にき移していた。
裕介がさく呟いた。
「疑いたいわけじゃない」
彼は帳を閉じた。
「でも、何も残さなかったせいで、咲を1にした」
私は返事の代わりに、映像保用のパスワード番号を彼へ渡した。
これまでのことを完全に許し、謝罪を受け入れたわけではない。
それでも、彼がようやく事実を直する側へ移ったことは分かった。
裕介は午から会社へ向かった。
をるに、彼は私へしい鍵を見せた。
「母さんにもマリカにも渡さない。俺の予定も、には置かないようにする」
私は黙って頷いた。
彼の言葉を信じたい気持ちはあったけれど、失われた信頼は約束だけでは戻らない。
夕方、私は仕事部で自分の資料を理していた。
机の引きしには、あの『共名義』とかれた付箋を切に保管していた。
その隣に、5の男性用スリッパを撮った写真を印刷して入れた。
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の名義を異常に気にする言葉と、らない来客のための気な準備。
2つにはまだ、直接の繋がりが見えてこなかった。
が落ちる頃、廊のカメラからスマートフォンに検通が届いた。
玄関から仕事部まで、誰が歩いたかがはっきりと分かる鮮な映像だった。
画面ので、私自が1で廊を通りすぎていく姿が映っていた。
自分のなのに、証拠を残さなければできない異常な活。
その事実だけは、もうごまかせなかった。
私は映像を保し、記録ノートの付をいた。
怖さを打ち消すためではなかった。
次に誰かが境界を超えてきた、決して見なかったことにしないためだった。
その夜、マリカから突然い連絡が届いた。
『防犯カメラをつけたのか』とだけかれていた。
私はすぐに返信しなかった。
設置をるはずのないマリカが、すでにカメラのをっていたのだ。
そして数分、玄関のカメラにが映った。
子をくかぶったマリカが、閉じた靴箱へ向かってまっすぐを伸ばしていた。
私は震えるで画面を拡した。
玄関にいたのはやはりマリカだった。
そのろに、買い物袋を持った裕介の姿が映っていた。
私は急いで階段をりた。
居の扉をけると、裕介がちょうど靴を脱いでいるところだった。
私は語気をめた。
「どうしてマリカさんがいるの?」
私の声に、裕介のきが止まった。