みかん小説
本棚

"5足の男物スリッパと偽装不倫の罠" 第13話

貞』という烈な言葉が、あの5のスリッパにピタリと繋がった。

複数の男たちを、私が留守番するへ入れた形にする。

そうすれば、現の写真だけでも、親戚や夫を信じ込ませられる。

そこまで考えて、私は自分の震えるを見た。

指先がゆっくりとたくなっていくのをじた。

きよこさんは、私のへ温かい湯呑みをそっと置いた。

「のり子は、あなたに息子を取られたとい込んでいるの。まで嫁のものになるのが許せないと、ずっとにしていたわ」

それは、のり子の異常なを正当化する理由には決してならなかった。

ただ、彼女が何を恐れているのかは見えてきた。

息子との距の名義、親戚から見た『母親』としての確固たる

のり子はそれらを守るために、段を選ばず私を族から排除しようとしていた。

私がいなくなれば、代わりにマリカをこのへ入れられるとも考えていたのだろう。

裕介が、絞りすように尋ねた。

「どうしてもっとく、教えてくれなかったんですか?」

きよこさんは、膝のでしわだらけのねた。

「姉である私が、妹を止められるとっていたの。親族ので騒ぎにすれば、のり子が却ってになるとったから」

その言葉は、私にも痛いほど覚えがあった。

庭を壊したくないとい、言うべき満をみ込んできた。

広告

黙ることで守れる関係もあるけれど、黙ることで相をどんどんきくしてしまうこともあるのだ。

私は封筒と類を、全て写真に残した。

原本は全のため、きよこさんが引き続き保管することになった。

誰が、いつ、どのような言葉と緒にこれを置いていったのか。

きよこさん夫妻には、付も含めて詳細なメモをき留めてもらった。

帰りがけ、きよこさんは玄関まで私を追ってきた。

「のり子から、み物やべ物を絶対に受け取らないで」

私は驚いて振り返った。

「何か、具体なことを聞いたんですか?」

きよこさんはげに言った。

「はっきりした話ではないの。でも昨、マリカに『眠ってくれれば楽なのに』と呟いていたのよ」

裕介の表が、のようにくなった。

きよこさんは「自分でも考えすぎかもしれない」と続けた。

けれど、『甘いミルクティー』という連絡を見たでは、決して聞き流せる言葉ではなかった。

へ戻ると、私はのり子からのメッセージ画面をもういた。

『話しいたい』

『甘いみ物を持っていく』

『夫がいない夜を選びたい』

優しい言葉だけを並べれば、見どこにも異常はない。

しかし、婚届と5のスリッパのった今、は完全に悪のあるものに変わっていた。

裕介がハンドルを握りながら言った。

広告

「警察に相談しよう」

私が答えた。

「まだ何もされていないと言われるかもしれない」

裕介は力く言った。

「だから、されるに相談するんだ。証拠がりないなら、何を残せばいいか専に聞く」

その言葉に、私はく頷いた。

私たちはそのまま最寄りの警察署へき、全課の相談窓でこれまでの事をすべて話した。

担当の警察官は、すぐに事件として扱えるとは言わなかった。

の対だけでは、警察として介入できることに限りがあります」とも説された。

それでも、無断でへ入られた記録映像。

審なスリッパが持ち込まれた事実と写真。

を狙った連絡メッセージ。

未記入の婚届と、の名義を調べた類のコピー。

それらは別々に全な所に保しておくようく勧められた。

危険をじたは、絶対に1で対応しないようにも言われた。

警察官は最に、真剣な顔で付け加えた。

物に違があれば、絶対ににしないでください」

私はその言葉を、ノートの正面へきくいた。

疑いすぎだとわれる世体の怖さより、自分自を守れない怖さの方が遥かにきくなっていた。

帰宅、私は準備していた旅カバンから類をした。

このにずっと残ると決めたわけではない。

ただ、逃げるにしなければならないことがあると分かったのだ。

カメラの映像の保を確認し、ICレコーダーでの録音の方法も入に見直した。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: