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"5足の男物スリッパと偽装不倫の罠" 第28話

が、のり子が嫁の恥を見せるとを集めた事実だけは隠せなかった。

町内会の集まりで、のり子はいつもの席に座らなかったという。

体を守るためには私を陥れようとしたは、世の目を避けるようになった。

マリカからは、い謝罪の文が届いた。

『母に逆らえなかった』とかれていた。

けれど、私の部を欲しがったことも、写真の段取りを伝ったことも消えるわけではない。

私は返事をかなかった。

謝罪を受け取るかどうかは、急いで決めることではなかった。

週末、吉田先ち会いのもとで、のり子たちの荷物を返した。

所はではなく、法律事務所のさな応接だった。

のり子は私に1度も目をわせなかった。

マリカは袋を受け取るだけ、さくげた。

裕介は母親へ声をかけることも、へ招くこともなかった。

彼はそれだけ言った。

「ここから先は、連絡の決まりを守ってください」

のり子は唇を結んだ。

いつも使っていた『族』という言葉は、そのてこなかった。

事務所を、私は裕介と並んで歩いた。

を繋ぐ気にはなれなかったけれど、までじていた背への線はなかった。

敵が全てを失ったわけではない。

けれど、私を黙らせるために使っていたものは失われた。

い鍵も、親戚の信用も、族という言い訳も、には残っていなかった。

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に戻ると、私はを止めた。

守られたはずの所は、まだ私に完全なを返してくれない。

次に決めなければならないのは、のり子たちの処分ではなかった。

私がこので、もう1度して眠れるのかということだった。

しいカーテンは、朝のを柔らかく通した。

い布とは違い、部たいを作らなかった。

私は窓辺にち、空になった仕事部を見ていた。

ベッドは処分していた。

机も隣のさな部へ移した。

ここはしばらく物を置かない所にすると決めていた。

裕介は入りを止めていた。

「入ってもいいか?」

その言を、彼は毎回聞くようになった。

私は頷いた。

彼はゆっくり部へ入り、壁に残ったさな釘穴を見た。

「全部急がなくていい。このを売ることも、別に暮らすことも、緒に考える」

私は返事を急がなかった。

なら、夫をさせるためにすぐ丈夫と言ったかもしれない。

今は、その言葉を軽く使いたくなかった。

私は窓のを見ながら言った。

「今は決めない。でも、私の所を私が決めることだけは譲らない」

裕介は静かに頷いた。

その顔には「許してほしい」という焦りより、諦が見えた。

のり子からの連絡は、弁護士を通す形になった。

直接の話も訪問も受けないと通していた。

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玄関のい鍵は、もう誰のにも渡していない。

マリカはしばらく実て、友を寄せたと聞いた。

母親に従ったことへの責任は消えない。

それでも彼女自もまた、のり子の支配かられようとしているらしかった。

私はそのらせを聞いても、返事はしなかった。

責め続ける気持ちも、助ける気持ちも、今の私には持てなかった。

まず、自分の眠れる夜を取り戻す方が先だった。

、吉田先の事務所で今の確認をした。

み物の件は、警察の続きので調べられている。

男たちについても、誰から依頼されたのか記録をもとに確認がんでいた。

は、私に無理な決断を求めなかった。

族関係をどうするかは、法律の続きだけでは決まりません。ただ、境界線を決めることはあなたの権利です」

その言葉は、何よりも静かに私を支えた。

私は署名欄の空いた婚届をした。

あのは、のり子が私を追いすために使おうとしたものだった。

けれど今、何かに署名するかどうかを決めるのは私だった。

誰かに急かされてるのではない。

誰かに恥を着せられて黙るのでもない。

事務所を、吉田先通の通を見せてくれた。

私へ直接接触しないこと。

への訪問をしないこと。

私の名誉を傷つける話を親戚や所へ広めないこと。

どれもい言葉ではなかったけれど、私がにできずにいた境界線がそこにはっきりかれていた。

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