"「他人の姉に使う金はない」夫と800万円の新居" 第2話
しかし、先ほど夫にいて見せた最のページには、私の全くらない数字が印字されていた。
500万円。
たった3に、それだけのきな額がこっそりと引きされていた。
息が止まりそうになるのを、私は必に堪えた。
ここで問い詰めれば、夫は適当な言い訳をして証拠を隠滅するに決まっている。
私は夫の背をややかな目で見つめた。
「この500万円は何に使ったの」と叫びたい衝を抑え込んだ。
だから私は何も見なかったふりをして、静かに通帳を閉じたのだ。
私は背を向け、台所へ向かった。
夕の準備を始める。
根を切る包丁の音が、静かな台所に響く。
自分のが、かすかに震えているのが分かった。
夫婦の財産の半分以が、忽然と消えている事実。
最の夫のが、ので次々とフラッシュバックした。
休になると、急な仕事が入ったと言ってかけることが増えた。
普段はつけないの匂いをさせていた。
スマホを肌さず持ち歩き、お呂にまで持っていくようになった。
そして、義母が最所のたちに自げに話していた言葉をいす。
「もうすぐうちの息子が、私にきな親孝をしてくれるのよ」
全ての自然なピースが、嫌な音をててパズルのように組みわさっていく。
その夜、夫がいびきをかいて眠りについただった。
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私は暗い洗面所で1、再び通帳をいた。
さなかりので、引きされた500万円の横にある印字を見つめる。
虫鏡を使って慎に確認した。
そこには、カタカナで振り込み先が記されていた。
見慣れない産会社の名だ。
そしてもう1つ、ここ半、毎5万円が引きされている記録もあった。
義母の座への振り込みだった。
私には、母さんへの仕送りはもうやめたと言っていたのに。
夫は裏で義母にを流し続けていたのだ。
私は鏡に映る自分の青い顔を見つめ、静かにつぶやいた。
「に使うはない、か」
夫は私というを完全に見している。
自分の嘘は絶対にバレず、私が懸命貯めたおも自分の好きにできるとい込んでいる。
けれど、このの夫と義母はまだらなかった。
私がすでに、彼らの嘘を根底から覆すための静かな反撃を始めていることを。
そして、夫がと切り捨てて見殺しにしようとした私の姉の。
それが、自分たち親子の首を激しく絞めることになるとは。
洗面所のから、ブルッと震える音が聞こえた。
私は顔をげ、音のする方を見た。
夫が脱いだ着のポケットに入れたままにしていたスマホだ。
通のメッセージが届いた音だった。
私は洗面所をて、暗ので青くるその画面にづいた。
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その画面こそが、全ての崩壊の始まりだった。
スマートフォンの画面には、「彩佳」という見らぬ女性の名が表示されていた。
いポップアップのメッセージが表示されている。
『週末の具選び、楽しみにしてるね。ソファはがいいな』
く表示されたその文を、私はめた目で見つめた。
500万円ものが消えた産会社への振り込み。
そして週末の具選び。
夫が裏で何をめているのか、見るよりらかだった。
私は自分のスマートフォンを取りした。
カメラを起し、夫の画面を写真に収めた。
さらに、先ほど確認した通帳の自然な引きし履歴のページをく。
それらも全て撮した。
シャッター音がないよう、画モードで静かに録画していく。
スマートフォンを持つが、かすかに震えた。
しいからではない。
夫の裏切りのさに、静かなりが湧きがっていたからだ。
寝から、夫の寝ぼけた声が聞こえた。
「由美、お茶」
私は急いで通帳を隠し、たい麦茶の入ったコップを用した。
寝に戻り、何事もなかったかのように麦茶を差しす。
夫は私を見向きもせずにそれを受け取った。
気にみ干すと、コップを私に押し付ける。
そして布団を被り、再びいびきをかき始めた。
私はその無防備な寝顔をたく見ろした。
私がこれまでの20、夫の理尽な態度や義母からの嫌に耐え続けてきたのには理由があった。