"「他人の姉に使う金はない」夫と800万円の新居" 第10話
「そして残りの額を全額引きされております。現の残はゼロとなっております」
ゼロ。
その言葉を聞いた瞬、私は自分のを疑った。
昨夜、私が自宅で通帳を見たは、500万円が引きされたでも、まだ300万円の残が残っていた。
私たちが20、しずつ貯めてきた切なおだ。
スーパーの特売品を買い回り、自分のや化粧品もし、パート代も全て継ぎ込んできた老資だ。
それを夫は今の午、わざわざの窓まで来て、残りの300万円まで全て引きしていたのだ。
私は掠れた声で尋ねた。
「全額ですか?」
員さんは静かに頷いた。
ここでようやく、義母が血相を変えてがにやってきた理由が分かった。
夫は私に通帳を見られるに、残りのおも全て奪い取るつもりだったのだ。
そして義母は、私が気づくに通帳を回収するというな役割を任されていたのだろう。
私が何もらないと勘違いして帰っていった義母の、あの勝ち誇ったような顔がに浮かんだ。
私は膝のでぎゅっと両を握りしめた。
りで目のが真っ暗になりそうだった。
しかしここで泣き崩れるわけにはいかない。
私はく息を吸い込み、員さんをまっすぐに見つめた。
「わかりました」
私は静な声で続けた。
「では、昨までの過5分の取引細を、全てで発していただけますか?」
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私は分証を指差した。
「妻である私なら続きできますよね」
私が言うと、員さんはほっとしたように頷いた。
「はい。ご本様の確認類とご印鑑があれば能です。々お待ちください」
しばらくして、10枚以の細用がプリントアウトされてきた。
ここには、私がこれまで見ていなかった過の記録が全て印字されていた。
私は待席の隅に座り、1枚ずつ丁寧に目を通した。
そこで私は、さらなる夫の裏切りをることになったのだ。
500万円の産会社への振り込みや、義母への仕送りだけではなかった。
今から3もの記録だ。
に1度、必ず5万円が『鈴彩佳』という座に振り込まれていた。
3といえば、私がスーパーのパートを週3から週5に増やした期だ。
『浩司の料だけじゃだ。おももっと働け』
夫にそう言われ、私は腰の痛みをしながら毎必に働いていた。
その裏で夫は、私のパート代とほぼ同じ額のおを毎に貢いでいたのだ。
私に苦労を押し付け、自分たちはそのおで贅沢を楽しんでいた。
細を持つが、刻みに震えた。
私は細用を丁寧に折りたたみ、バッグの奥くにしまった。
これは、いざというに夫を完全に追い詰めるための力な武器になる。
夫は私をから追いし、財産を全て奪ったつもりでいるのだろう。
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しかしこの公な記録は、夫の貞為と財産の持ちしを証する確固たる証拠だ。
をた私は、そので役所へと向かった。
のい差しがアスファルトに照り付けていたが、私のはどこまでもたく研ぎ澄まされていた。
役所の戸籍民課の窓で、私は1枚の用を受け取った。
婚届受理申だ。
夫の斎で見つけた、私の名が勝にかれた婚届。
夫が適当な理由をつけてあの偽造された婚届を勝に提するのを防ぐための続きだ。
これを提しておけば、夫がどれだけ巧妙に婚届をそうとしても、役所は絶対に受理しない。
窓の職員に聞かれた。
「本確認類はお持ちですか?」
私は運転免許証を差しした。
類に自分の名をくペンの音が、静かな役所に響く。
続きはあっというに終わった。
職員が説をしてくれる。
「これでご本様が取りげない限り、婚届が受理されることはありません」
私はくをげた。
さな切れ1枚の続きだが、夫の計画の1つを完全に潰すことができた。
夫は何もらない妻に判子を押すとい込んでいる。
その企みはすでに崩れっている。
私のに、自分ので自分を守ったというさな充実がまれた。
役所をて、くの公園のベンチに座った。
スマートフォンを取りし、姉の病で撮った写真を見つめる。