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"「他人の姉に使う金はない」夫と800万円の新居" 第11話

酸素マスクをつけて眠る姉の顔は、とても穏やかだった。

画面のの姉に向かって、でそっとつぶやいた。

「お姉ちゃん、私負けないからね」

夫は私を完全に無力なだとい込んでいる。

だからこそ、こんなにも胆に、そして雑に嘘をねているのだ。

その油断が、夫自の首を絞めることになる。

計を見ると、夕方の4を回っていた。

の買い物をしてに帰らなければならない。

私はがり、スーパーへ向かった。

いつもなら夫の好きない牛肉や、義母が来たのお茶菓子を選ぶところだ。

しかし今の私は、い豚肉と見切り品の野菜だけをカゴに入れた。

に使うはない」

夫が姉に向かって言った言葉を、そのままお返しする準備だ。

夜の8過ぎ、玄関のドアがき、夫が帰ってきた。

「おい、帰ったぞ」

と同じように嫌で弾んだ声だ。

リビングに入ってきた夫は、テーブルのに置かれた質素な夕を見て、あからさまに顔をしかめた。

「なんだこの飯は。豚肉と野菜の炒め物だけか?」

夫は満そうに言った。

「俺は疲れて帰ってきてるんだぞ」

私は無表のままたいお茶を差しした。

「申し訳ありません」

私は淡々と答えた。

「今し節約しようといまして」

夫は眉をひそめた。

「節約だ?俺の稼ぎに文句があるのか」

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夫は舌打ちをして乱暴に子に座った。

「全く気が利かない女だな」

そういえば、と夫は箸を持ちながらニヤリと嫌な笑いを浮かべた。

「母さんが言ってたぞ。お、俺の通帳を探してたらしいな」

夫の目は私を試すように細められていた。

「何が目だ?」

私がここで揺すれば、夫はすぐに私のを怪しむだろう。

私はお茶碗を持ち、静かに夫の目を見つめ返した。

「いいえ」

私は落ち着いた声で答えた。

「ただ記帳をしていないなとっただけです」

ご飯をべる。

「お義母さんが持っていかれたので、もう結構ですよ」

私が淡々と答えると、夫は満げにで笑った。

「おには関係ないだ」

夫は箸で私を指した。

「俺のものは俺のものだ。勘違いするな」

夫はそう言って豚肉をに運んだ。

そのだ。

夫のスーツのポケットに入っていたスマートフォンが、けたたましい着信音を鳴らした。

夫は嫌そうに画面を見たが、その瞬、顔気に青ざめた。

箸を取り落とし、慌てて話にる。

「はい。佐藤ですが。え、母さんが?」

話の向こうからの声を聞いた夫の表が、みるみるうちに歪んでいった。

それは私たちの運命をきく変える、予期せぬらせだった。

夫の浩司は取り落とした箸を拾うことも忘れ、青ざめた顔でスマートフォンをに押し当てていた。

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「救急でどこの病院ですか?……分かりました、すぐにきます」

話を切った夫は、子を蹴るようにしてがった。

顔からは完全に血の気が引いている。

「由美!母さんが倒れた!」

夫は叫んだ。

全の発作らしい。今すぐ病院にくぞ!」

5、義母が臓の病気で倒れたのことが、私のにフラッシュバックした。

あのは夫も私もパニックになり、ただただ祈るしかなかった。

しかし今の私のは、驚くほど静だった。

「病院はどこですか?」

私が淡々と尋ねると、夫は私のたい態度に苛ったように鳴った。

民病院だ!く着替えろ!」

夫は着をひったくり、慌ただしく玄関へ向かった。

「タクシーを呼ぶからな!」

タクシーに乗り込むと、夫は貧乏ゆすりをしながら何度も運転くしてくれとせかした。

私は窓のを流れる夜の並みを無言で見つめていた。

私の姉が倒れた、夫はテレビを見ながら「に使うはない」と笑った。

今、自分の母親が倒れたとって、この男はこれほどまでに取り乱している。

命のさを勝に秤にかけ、自分に都の良い方だけを切にする。

夫のさがひしひしと伝わってきた。

病院に着くと、私たちはすぐに救急救命へと案内された。

すでに処置は終わっており、担当の医師が厳しい表で私たちを待ち受けていた。

「佐藤かず子さんのご族ですね」

医師の言葉に、夫はすがるようにげた。

「はい、息子の浩司です」

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