"「他人の姉に使う金はない」夫と800万円の新居" 第24話
私はもう、その見苦しい姿を瞥することもせず、静かに背を向けて歩きした。
ざかる救急のサイレンの音が、夫の泣き声をかき消していった。
病院の自ドアを抜けてにる。
の太陽が眩しく輝いていた。
息苦しい空気が掃され、く澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込む。
20私が背負い続けてきたい鎖が、ようやく音をててれたのをじた。
私は駅に向かって、まっすぐに歩き始めた。
取りは驚くほど軽く、迷いは切ない。
向かう先は、姉が入院している病院だ。
姉の病に着くと、担当の医師が笑顔で私を待っていた。
「佐藤さん、の支払いをありがとうございました」
医師はるい声で言った。
「おかげで必な器の配が全てい、の午に術をうことが決定しました」
私は顔をほころばせた。
「本当ですか?ありがとうございます」
私はくをげた。
病のベッドでは、姉が穏やかな顔で眠っている。
私はベッドの脇のパイプ子に座り、姉のを両でしっかりと握りしめた。
「お姉ちゃん、もう丈夫だからね」
私は姉のに頬を寄せた。
「頑張ろうね」
姉のは相変わらずゴツゴツとしていたが、確かな温かさがあった。
夫と義母のたい欲にまみれた世界から抜けし、私はようやく本当の族のぬくもりを取り戻したのだ。
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涙がポロポロと、姉のい布団のにこぼれ落ちた。
しかしそれは、これまでの理尽に耐えるためのしみの涙ではない。
自分のでちがり、を取り戻した静かな堵の涙だった。
そして翌、姉の術は4に及ぶ術となった。
私は術ののたいベンチに座り、ただ静かに待ち続けた。
計の針がむたびに、臓が痛いほど鐘を打つ。
姉が私を育てるために夜遅くまでミシンを踏んでいた背。
学の入学式で、自分のことのように涙を流してんでくれた笑顔。
たくさんの温かい記憶がのを駆け巡った。
やがて術のの赤いランプが消え、自ドアがいた。
汗をかいた術着姿の医師がてきて、マスクをしながらさく頷いた。
「術は無事に成功しました。血流も正常に戻り、もうですよ」
その言葉を聞いた瞬、私はベンチから崩れ落ちるようにへたり込んだ。
両で顔を覆って声をあげて泣いた。
くにいた護師さんが、優しく私の背をさすってくれた。
姉の命は繋がったのだ。
私が誰にも頼らず決断ししたことで、番切なものを守り抜くことができた。
それから3。
姉が般病棟に移り、しずつ会話ができるまで順調に回復したの午だ。
私は姉のベッドの傍らで、さなりんごを剥いていた。
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窓からは穏やかな差しが差し込んでいる。
「由美、本当にありがとう」
姉はかすれた声で言った。
「あなたがいてくれて、私助かったわ」
姉の々しいけれど優しい声に、私は首を横に振った。
「ううん。お姉ちゃんがずっと私を守ってくれたから、今度は私が守る番だっただけよ」
りんごの皿を置く。
「だからゆっくり休んでね」
2の穏やかなが流れる、私のバッグののスマートフォンが静かに震えた。
画面を見ると、弁護士からの着信だった。
私は姉に「し話にてくるね」と断ってから、病のの静かな廊にた。
「はい、佐藤です」
話にると、先の声がした。
「佐藤さん、お姉様の術無事に成功したそうですね。本当におめでとうございます」
私はをげた。
「先、ありがとうございます。先が類を急いでくださったおかげです」
「いえ、あなたがご自分の力で勝ち取った結果ですよ」
先は言葉を続けた。
「ところで、例の件でご報告があります」
先の声が、しだけ真剣な響きに変わった。
「元ご主のお勤め先との方との話しいについてです。そして、転院された義母様のそのの状況についても調べがつきました」
私は廊の窓から青く広がる空を静かに見つめた。
「浩司さんたちはどうなったんですか?」
私が淡々と尋ねると、先はゆっくりと、彼らが迎えた自業自得の結末を語り始めた。