"0427の暗証番号が暴く夫の秘密" 第9話
という癖でもあった。
婚のののに、夫がの片付けをしたことがある。曜の朝からで押入れをけて古い荷物をしては入れ直していた。私が伝おうとしたら、「いい」と言われた。
夕方になって私が買い物から帰ると、押入れは元通りになっていて、夫は縁側でタバコを吸っていた。あのはに本か本しかタバコを吸わない。吸うのは決まって何かを考えているだった。
「片付いた?」
「ああ」
「何かてきた?」
夫はし黙ってから言った。
「いや、何でもない」
私はそれを信じた。信じたというより気にも止めなかった。あの、夫が押入れの奥から何を見つけて、それを何のために持ちしたのかを私ることになるのは、それからものことだ。
話を今のに戻す。更はないと言われたのは、契約が終わるだった。倉庫の仕分けの仕事だ。担当のは話で申し訳なさそうにしていた。あのが悪いわけではない。私は「お世話になりました」と言って切った。切ってから私はしばらく携帯を握ったまま台所にったっていた。
に入ってすぐ、私はハローワークへった。朝のに着いたのに、番号はもう番台だった。順番を待う子に座っていると、々ながいるのが分かる。スーツの若い男の、作業着の配の、子供を連れた女の。
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みんな同じ方向を見ている。
窓の相談員はじのいいだった。私の経歴の欄もしばらく見てからこう言った。
「事務のご経験が代のだけですね」
「はい」
「の期は、ご庭で……」
「はい」
「今はパソコンの環境が変わっていますので、そこだけし……」
そこだけし、という言い方が親切であることは分かっていた。分かっていても、帰りでがくなった。
その次、私は件の面接を受けた。全部落ちた。理由を教えてくれるところはない。件だけ齢のことをはっきり言われた。「うちは若い子がいので馴染めないかもしれませんよ」と。私は「丈夫です」と答えたけれど、丈夫かどうかを決めるのは私ではなかった。
面接のうちの件は、駅のさな会計事務所だった。面接をしたのは私より若い男ので、履歴を見ながら度度と首をかしげた。
「……ブランクというのは正直、当社では例がなくてですね」
「はい」
「例えばですけど、ブランクでご自が伸びたとうところってありますか?」
私はそこで詰まった。
のことをしていたブランクで伸びたところ……献てを考える力とか、洗濯物の畳み方とか、噌汁の量を目分量で当てられることとか、そういうものがに浮かんで、どれもにせなかった。にせば笑われるとった。
「すみません、うまく言えません」
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「正直でいいですね」
そのは笑ってそう言った。悪気がなかったのだとう。それでも私は帰りのので座席の端を握っていた。
夜清掃は続けるつもりだった。ところがの半ばに、ビルの管理が別の会社に変わることになった。清掃の員は半分になると言われた。残ったのは若いたちだった。
最の夜の控で、さやかさんが自販売のにっていた。
「朝倉さん、これ」
さやかさんは私に缶のコーヒーを押し付けた。ブラックだった。さやかさんはいつも甘いのをむのに、私の分だけブラックを買っていた。
「覚えてたの?」
「朝倉さん、甘いのまないじゃないですか」
私は缶を両で持った。温かかった。
「あの、連絡先交換しといてもいいですか?」
「私なんかと繋がっててもいいことないよ」
「そういうのやめてください」
さやかさんは真顔だった。私はその顔を見て笑って、携帯をした。
ビルをたのは朝の過ぎだった。空は暗くて、くの方だけくなっていた。私は歩きながらカバンをけてち止まってんだ。そこからの週のことは、いすと今でも胃のあたりがくなる。
賃は万千円。分は払った。分の期は末に迫っていた。
の終わりに、私はを売りにった。駅の向こうのリサイクルショップだ。
ダンボールに詰めたのは結婚していた頃のだった。と会う予定のあるに着ていたものばかりで、今の活ではもう度も袖を通していない。