"0427の暗証番号が暴く夫の秘密" 第21話
「瀬優馬様は遺言を作られるに、こういうことを何度も確認されました。『これはみつきに迷惑がかかりませんかと』。税とのこと、続きのこと、ご親族との関係、全部です。正直に申しげて、ご自分の希望よりもその確認の方がずっとい方でした」
私は俯いた。迷惑をかけないための夫をあのは最まで積みげた。その夫の番きなものが、私と別れることだったのだ。
り介さんから話があったのは、それからだった。見覚えのない番号だった。私はに携帯を変えている。し迷ってからた。
「朝倉さんでいいのかな? 瀬り介です。優馬の兄の」
ぶりに聞く声だった。「話がある。会えるか」
私たちは駅の喫茶で会った。り介さんはに会ったより太っていた。コートのにスーツを着ていて、席に着くとすぐに名刺をそうとして途でやめた。
「から連絡がったんだって」
「はい」
「弟の遺言のことも」
「はい」
「おかしいとわないか?」
り介さんはコーヒーにをつけずに言った。「あんたはもうだ。もに別れてる。弟が遺言までいて、にとを残すってのが俺には分からねえんだ」
私は膝のでをわせた。言われることは分かった。同じことを私は自分でもで言ったのだ。
「私もそういました」
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「じゃあ――」
「でも、私が受け取らなかったら、おはどこへくんですか?」
り介さんはを閉じた。「遺言がなければり介さんのところへくはずのものですよね」
「そういう言い方をするなよ」
「すみません。でも、私はそれをずるいとは言いません。兄弟なんだから、当たりだといます」
そこで会話が止まった。に流れている音楽だけが聞こえていた。私はカップの持ちを見ていた。先にをいたのはり介さんだった。
「あいつな、葬儀の財布のに写真が入ってた」
私は顔をあげた。役所ので撮ったやつだ。
「あんたとで写ってる。婚してだぞ。なんで持ってんだよ、あいつは」
り介さんの声がそこで度だけ揺れた。
「俺はあいつのことを何もらなかった。のことも借のことも、全部から聞いた。借は完済してたんだよ。俺には言もなしにな。事故ののだった。折してきたトラックにやられたんだ。即だったと聞いた。苦しんじゃいねえって。それだけは警察のが言ってくれた。帰りだったらしい。どこからの帰りかは、俺はらなかった。弟に度も飯を持ってやったことがねえんだ。これは……」
り介さんはそこで黙って、めたコーヒーをんだ。それからカバンから封筒をして机に置いた。
「持ってけ」
には枚の写真が入っていた。
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の、役所の。あのはがくて、私の髪が全部片側に流れている。隣にいるは笑い損ねたような顔でっていた。裏を見た。あのの字で付だけがいてあった。私はその写真を両で持ったままけなくなった。
「遺言のことはもう言わない。弁護士の先からも、法律あんたに何も言えないって言われたしな。ただつだけ聞かせてくれ。そので、何をするんだ?」
私は写真から目をあげた。そのの私にはまだ答えがなかったけれど、が勝にいた。
「をやります」
言ってから自分が番驚いた。
り介さんは「ふうん」とだけ言った。それから伝票を取ってちがった。
「けたら教えろ」
「え、くとは言ってないよ」
り介さんはそれだけって、先にをていった。窓から見ていたらり介さんは歩の真んで度ち止まって、のをの甲でこすっていた。弟に似ていないとっていたけれど、あいうところは同じだった。
に入ってから、私は働き始めた。保健所へった。をくには営業許がいる。設備の基準が細かく決まっていて、図面を持って事に相談するのが普通だと教わった。それから、品責任者という資格のことった。ごとに置かなければならないのことだ。
都府県の協会がやっているの講習を受ければ取れる。私は次の会に申し込んだ。
優馬のノートにいてあったことを、私は順番になぞっていた。