みかん小説
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"680億円の取引を救った秘密の多言語" 第2話

学の卒業がに迫った頃、周囲の友たちは次々と華やかな内定を決めていき、キャンパスは浮かれた空気に包まれていた。

ゼミのグループラインでは「内定おめでとう!」のスタンプがび交い、就活の報告会の席では誰もが自分の未来を自っていた。

でも、私のスマートフォンに届くのは、徹な採用通のメールばかりだった。

ただでさえと面と向かって話すことが根本に苦な私にとって、企業の面接という空は、まるで処刑台のような拷問そのものだった。

面接官のに座り、顔をげるだけで喉がキュッと締め付けられ、ありふれたはずの簡単な自己紹介すら満に言葉にできない。企業の面接官たちはみな、様に同じたい顔をしていた。

――ああ、こいつはダメだな。使い物にならない。

そんな無言の烙印を押されているような気がしてならなかった。

周囲の世界がどんどん華やかにづいていくの終わり、私はたったたい現実に取り残されていた。

「どうせ、世ののどこを探しても、俺なんかを必としている会社なんてあるわけないよな……」

ある、私は就活イベントの環として催された同企業の会社説会に、まるで吸い込まれるようにふらりとち寄った。もちろん、そこでも誰かと積極に言葉を交わせるわけもなく、ただ配られたぶいパンフレットを黙々と眺め、静かにそのろうとした、まさにそのだった。

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「――君、ちょっといいか?」

スーツ姿の、齢のわりに落ち着いた男性に背から声をかけられた。

彼の柔らかい目元のには、すべてを見透かすような鋭い観察のが宿っていた。

男性が差しした名刺には「バルハルテ・グローバル・アート・リンクス 事部 瀬正国」としっかりと印刷されていた。

「え、俺……ですか?」

「さっきのブースの端っこで、ずっと分い資料を読んでいただろう。あの『アラム語』の古い写本みたいなやつをに見ていた」

「あ、はい……」

「珍しくてね。あれが読めるのか?」

「いえ、でも……なんとなくラテン語の構造にそうだったので……」

「面い。君、履歴は持っているか?」

――まさか、こんな偶然の会いから私の未来が音をてて変わるなんて、このの私はにもっていなかった。

ギリギリの崖っぷちのタイミングで、私はバルハルテ社からの内定を奇跡にもぎ取り、学の卒業式を終えてから数、社会としての第歩を踏みすことになったのだ。

しかし、会社に入社してすぐに、私は酷な現実を突きつけられた。

――ここで本当に、俺の居所なんてあるのだろうか?

与えられた肩は「翻訳補助」。だが、実際に任された雑用は、過の膨な納品台のファイリングの理や、価な美術品を傷つけないように梱包するための緩衝材の庫チェックばかり。

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誰もやりたがらない臭い仕事の押し付けだった。

何より、直属の司である営業部の鬼との相性が、最悪の域を超えていた。

「おい、昨の報告、まだ提してねえよな?」

「え、いえ、昨の夕方にメールで……」

「おい、メールだけで済むとってんのか!? 社会を舐めんなよ! ホウレンソウって言葉のらねえのかよ!」

「……すみません」

「まったく、こんなコミュ障の気なやつを雇ったんだが、これだから困るんだよな。まといになるなよ!」

あの事部瀬さんだけは私の隠れた能力を認めてくれたけれど、この会社での私の価値なんて……。

同僚たちは私のを見て見ぬふりをした。折、売りのすれ違いざまに「くん、まだ会社に残ってたんだ?」などという悪気のない、しかしに刺さる冗談まじりの言葉を投げかけられる。

自分が会社から全く期待されていないことも、何の役にもっていないことも、私自番よく分かっていた。

それでも私が会社を辞めずに耐え続けていたのは、あの瀬さんがかけてくれた言葉が、今でも私のの奥底に温かく残っていたからだ。

――「君の言語能力は派じゃない。でも、いつか必ず、君の力が絶対に必が来る」

そんな瞬が、本当に私のにやってくるのだろうか?

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