"中卒の清掃員をクビにした翌日" 第8話
「そんなしたことじゃないです」
その瞬。
は確信した。
このなら。
昭栄百貨を任せられる。
そうった。
***
数。
曜。
午10。
結は突然、事部から呼びされた。
「川さん」
「はい」
会議。
そこには田事部と、杉が座っていた。
結は子に座った。
嫌な予がした。
田は類をに取った。
「川さん」
「はい」
「変申し訳ありませんが……」
瞬、沈黙。
「現の契約を終させていただくことになりました」
結の表が固まった。
「……え?」
声がなかった。
田は続ける。
「本付で続きをめます」
「から勤務する必はありません」
その言葉。
聞き覚えがあった。
「から来なくていいです」
ので何度も響く。
結はゆっくり杉を見る。
「理由を……聞いてもいいですか?」
杉が答えた。
「業務適性の問題です」
「あなたは何度注しても、自分の判断でしました」
「会社の方針にわないと判断しました」
結は震える声で言った。
「でも……私は」
「懸命働いてきました」
杉は表を変えなかった。
「懸命かどうかではありません」
「結果です」
「あなたは契約社員です」
そして。
あの言葉をにした。
「卒の契約社員なんて、いくらでも替えはいるので」
が止まった。
結は何も言えなかった。
胸の奥が痛かった。
5。
毎朝5に起きた。
体調の悪いも働いた。
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母のため。
自分のため。
誰かの役につため。
それが全部。
「替えがいる」
その言で片付けられた。
「……分かりました」
やっとた言葉は、それだけだった。
田は申し訳なさそうな顔をした。
「川さん……」
しかし、何も言えなかった。
結はちがった。
くをげる。
「5、ありがとうございました」
誰も返事をしなかった。
***
ロッカー。
結は1だった。
制を見る。
5着てきた制。
最初の。
緊張しながら袖を通した。
母が笑って言った。
「似ってるよ」
その記憶が蘇る。
ロッカーのには、さな写真があった。
母と撮った写真。
17歳の自分。
まだ何も分からなかった頃。
「頑張るからね」
写真に向かって呟く。
しかし。
涙が止まらなかった。
「私……」
「頑張ってきたよね」
誰にも聞こえない声。
肩が震える。
声を押し殺して泣いた。
その。
ドアがノックされた。
「川さん」
の声だった。
慌てて涙を拭く。
「はい」
ドアをける。
がっていた。
結の顔を見る。
すぐに分かった。
「……聞いたよ」
その言葉で。
していたものが崩れた。
「さん……」
「私……」
「どうすればいいか分からなくて……」
涙が溢れる。
「母がいるんです」
「治療費もあるのに」
「から仕事がなくなったら……」
は静かに聞いていた。
そして言った。
「川さん」
「はい」
「君は何も失っていない」
結は涙を流しながら首を振る。
「でも、仕事が……」
は優しく言った。
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「君の価値は、会社の判断だけで決まるものではない」
「見ているはいる」
「必ずいる」
結は泣きながらをげた。
「ありがとうございました」
「さんと話せて……し救われました」
は静かに頷いた。
結が荷物を持ってっていく。
その背を見ながら。
は携帯話を取りした。
メッセージを送る。
【予定をめる】
【、会社へく】
数秒。
返信。
【承しました、会】
郎は画面を閉じた。
そして。
5、誰にも評価されなかった女性のために。
ついにきすことを決めた。
***
翌朝。
午9。
昭栄百貨の正面玄関。
台の黒い級が静かに止まった。
運転が部座席のドアをける。
そこからりてきた物を見て。
従業員たちは息を呑んだ。
だった。
しかし。
昨までの清掃員の姿ではない。
級スーツ。
伸びた背筋。
堂々とした歩き方。
そして。
彼のろには秘と数名の幹部が並んでいた。
受付スタッフが震える声で呟く。
「……まさか」
その瞬。
田事部が慌ててってきた。
そしてくをげた。
「会……」
「お待ちしておりました」
その言で。
館内の空気が変わった。
郎。
昭栄百貨グループ会。
誰もらなかった。
あの清掃員の正体。
そして。
杉亮介の運命が。
この、きく変わり始めた。
「会……」
その言葉が、昭栄百貨の1階ロビーに響いた瞬。
が止まったようだった。
清掃員。
販売スタッフ。
受付担当。
警備員。
そこにいた全員が、郎を見つめていた。
昨まで。