"中卒の清掃員をクビにした翌日" 第11話
「違う」
「君に謝りたいんだ」
「謝る?」
結は驚いた。
はゆっくり話し始めた。
「私は昭栄百貨グループの会、郎だ」
「3ヶ、分を隠して現に入った」
「本当の会社を見るために」
結は言葉を失った。
「君には申し訳なかった」
「本当なら、もっとく助けるべきだった」
「しかし私は、最まで君自の姿を見たかった」
は続けた。
「誰も評価しない所で」
「誰も見ていないで」
「君がどう働くのか」
「それを確かめたかった」
結の目に涙が浮かんだ。
「川さん」
「君は5、この会社を支えてくれていた」
「だが、会社は君に正しく向きわなかった」
はくをげた。
会が。
自分にをげている。
結は慌てた。
「やめてください」
「私は……」
「普通に仕事をしていただけです」
は顔をげた。
「その普通が、どれほど難しいことか」
「君は分かっていない」
***
は枚の類を取りした。
「川さん」
「提案があります」
結は類を見る。
そこには。
【昭栄百貨 正社員採用通】
「……え?」
「君を正社員として迎えたい」
結のが震えた。
「でも……」
「私は卒です」
「資格もありません」
はすぐに答えた。
「だから何だ?」
結は顔をげた。
「学歴は、の価値ではない」
「もちろん、学ぶことは切だ」
「だから」
は別の類を渡した。
「通信制への入学支援」
「会社が費用を負担する」
「勤務しながら学べる環境を作る」
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結は涙を流した。
「そんな……」
「私なんかに……」
は静かに言った。
「川さん」
「君は5、自分を誰かのために使ってきた」
「今度は、自分の未来のために使っていい」
その言葉で。
結の涙は止まらなくなった。
17歳で諦めた教。
置いてきた。
もう戻れないとっていた未来。
それが。
もう度、目のに現れた。
「ありがとうございます……」
「ありがとうございます……」
は微笑んだ。
「それから」
「もうつ」
結は顔をげる。
「お母様の治療費についても、会社の福利制度を利用できるよう配する」
「そんな……」
「君がして働ける環境を作ることも、会社の責任だ」
結はくをげた。
その。
川結は。
失ったとっていた5を。
取り戻した。
***
方。
杉亮介は。
会議で、処分通を見ていた。
【役職変更】
【管理職からの解任】
【事評価再審査】
今まで。
自分がを評価する側だった。
しかし。
初めて評価される側になった。
そこにかれていた言葉。
「数値管理能力はい」
「しかし、材育成能力にな問題あり」
杉はを握った。
悔しかった。
納得できなかった。
でも。
反論できなかった。
に浮かぶ。
倉庫でを磨く結の姿。
誰にも褒められなくても。
誰にも見られなくても。
黙々と働いていた。
「……俺は」
杉は呟いた。
「何を見ていたんだ」
初めて。
自分の違いに気づき始めていた。
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1ヶ。
昭栄百貨の朝は、以とはし違っていた。
午5。
まだが眠っている。
正面玄関の照が静かに灯る。
以なら。
このに勤するは、ほとんどいなかった。
しかし今。
館内には、さな変化が起きていた。
「おはようございます」
「おはようございます、川さん」
以、誰にも声をかけられなかった女性。
川結は。
今ではくの社員から名を呼ばれるようになっていた。
しい制。
胸元には社員証。
そして。
「お客様サービス推部」
その文字が刻まれている。
最初の。
結はその制を着ることができなかった。
鏡ので何度も確認した。
「本当に……私でいいのかな」
そう呟いた。
すると母が笑った。
「結」
「はい」
「その制は、突然もらったものじゃないよ」
「え?」
「あなたが5、ずつ積みねてきた結果だよ」
その言葉で。
結は初めて胸を張った。
***
しい部署での仕事は、像以に変だった。
今までとは違う。
清掃だけではない。
接客研修。
教育。
舗改善会議。
資料作成。
最初は何度も失敗した。
「すみません……」
会議で資料を違えた。
結は何度も謝った。
しかし。
周囲の反応は以とは違った。
「丈夫ですよ」
「緒に直しましょう」
誰かがを差し伸べてくれる。
そのたびに結はった。
昔の自分は。
ただ助けてもらう側ではなかった。
自分も誰かに優しさを渡していた。
それが巡って返ってきたのだと。
***
数ヶ。
昭栄百貨ではしい研修制度が始まった。