"中卒の清掃員をクビにした翌日" 第12話
テーマは。
「見えない仕事こそ、を支える」
そのにいたのは。
川結だった。
研修。
入社員たちが並んで座っている。
結はにった。
以なら。
勢ので話すことなど考えられなかった。
でも今は違った。
「皆さん」
「仕事には、目つ仕事と目たない仕事があります」
たちは真剣に聞いている。
「販売員は、お客様と直接関わります」
「素敵な商品を紹介します」
「笑顔で接客します」
しを置く。
「でも」
「その売りが綺麗でなければ」
「その商品がして置かれていなければ」
「その所を支えるがいなければ」
「良いサービスはまれません」
教は静かだった。
「私は以、清掃員でした」
ざわめきが起こる。
「卒でした」
「資格もありませんでした」
しかし。
結は笑った。
「でも、つだけ切にしていたことがあります」
「誰も見ていない所でも、自分の仕事を切にすることです」
のがを挙げた。
「川さん」
「はい」
「どうしてそこまで頑張れたんですか?」
結はし考えた。
そして答えた。
「誰かが見ているからではありません」
「自分が、その仕事をしている自分を裏切りたくなかったからです」
その言葉に。
教から静かな拍が起こった。
***
半。
昭栄百貨にはきな変化が起きていた。
社員同士の声かけが増えた。
部署の壁がなくなった。
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清掃スタッフへの態度も変わった。
以。
誰にも名を呼ばれなかったスタッフたちが。
今では。
「いつもありがとうございます」
と言われるようになった。
その変化を。
郎は静かに見ていた。
あるの夕方。
会。
窓のには京のが広がっている。
結が報告を持って入ってきた。
「会」
「失礼します」
は顔をげた。
「川さん」
「どうだった?」
「はい」
結は笑った。
「研修、無事に終わりました」
「皆さん、とても真剣でした」
は頷いた。
「君も変わったね」
結は首を傾げる。
「そうですか?」
「ああ」
「以の君は、を支えることしか考えていなかった」
「今の君は」
は微笑む。
「を支えながら、自分のも歩いている」
結はし照れた。
「さんのおかげです」
「いや」
は首を振った。
「違う」
「君自の力だ」
***
その頃。
杉亮介は別の部署で働いていた。
以のような管理職ではない。
現改善担当。
最初は満だった。
なぜ自分が。
なぜあの清掃員だったが。
そうった。
しかし。
しずつ変わっていった。
現を見るようになった。
社員の声を聞くようになった。
ある。
杉は倉庫へ向かった。
以。
結が働いていた所。
を見る。
綺麗だった。
隅まで丁寧に磨かれている。
そこに、しい清掃スタッフがいた。
「お疲れ様です」
杉は声をかけた。
相は驚いた。
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「杉さんが……?」
以なら。
自分から声をかけることなどなかった。
杉はし笑った。
「いつもありがとうございます」
その言葉を言った瞬。
胸の奥に何かが刺さった。
昔。
結が毎していたこと。
それは。
特別なことではなかった。
ただ。
相をとして見ること。
それだけだった。
***
。
昭栄百貨創業記。
勢の社員が集まる会。
が壇にった。
「今はの社員について話したいといます」
会が静まる。
「彼女は、以清掃スタッフでした」
「誰にも注目されませんでした」
「しかし」
は続けた。
「彼女は、誰も見ていない所で努力し続けました」
会の央。
結が座っている。
「会社を変えるのは、肩きのあるだけではありません」
「の誠実な仕事です」
は結を見る。
「川結さん」
「ありがとう」
会から拍が起こった。
結はちがった。
涙が溢れた。
5。
誰にも見られなかった自分。
必ないと言われた自分。
しかし。
あの々は。
決して無駄ではなかった。
磨いた。
交わした挨拶。
助けたお客様。
教えた。
全部。
今につながっている。
***
数。
昭栄百貨には、しい伝説がまれていた。
「の清掃員から始まった改革」
その物。
川結。
彼女は輩たちに、いつも同じことを伝えていた。
「仕事にきいもさいもありません」
「誰かの役にっているなら、それは誇れる仕事です」
あるの朝。
結は久しぶりに1階エントランスへ向かった。
そこには。
昔、自分が毎朝磨いていたがあった。
を反射するほど綺麗な。
結はそっと微笑んだ。
「懐かしいな……」
その。
若い社員が声をかけた。
「川さん」
「はい?」
「この、本当に綺麗ですね」
結は笑った。
「ありがとう」
「でもね」
しを置いて。
「綺麗なのはだけじゃないよ」
「ここで働くたちの気持ちが、綺麗だからなんです」
朝のが館内に差し込む。
かつて。
誰にも見られなかった女性が。
今では。
くのの未来を照らしている。
見えない所で磨き続けたものは。
いつか必ず。
誰かのを輝かせる。