"亡き息子の墓で出会った二人の子供" 第7話
ある、結が蒼太のそばで転んで泣きした、幸子はわずを伸ばしかけ、しかしすぐに止めました。「蒼太くんがいいと言うまで待つわ」 そう呟いてそのに座り、蒼太が自分で結を抱きげてなめるのを、ただ静かに見守りました。
蒼太はその様子に気づいていました。何も言いませんでしたが、そのから幸子がづいても以ほどく構えなくなりました。数週が過ぎたある、蒼太が自分から幸子に声をかけました。 「おばあちゃん、結のこと、しだけ見ていてもらえますか? トイレにきたいので」 それはい、ほんの数分の頼み事でした。しかし、蒼太にとっては3で初めて妹を誰かに委ねた瞬でした。
幸子は静かに頷き、蒼太が戻ってくるまで結の隣に座って絵本の絵を緒に眺めていました。戻ってきた蒼太は何も言わずに、ただ幸子の隣にもう度座りました。
それからというもの、しずつ幸子に懐いていきました。最初は蒼太のろに隠れていた結が、ある幸子の差ししたおもちゃに自分からを伸ばしたのです。幸子はその瞬を蒼太の許しなく特別なことのように扱いませんでした。ただ「そう」とさく頷き、結と緒におもちゃで遊びました。
蒼太はその様子をしれたところから見ていました。
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何も言いませんでしたが、それ以来、幸子が結に話しかけても、蒼太が割って入ることはなくなっていっていきました。結はまだ言葉の数がない頃でしたが、嫌がいいとさな声でのようなものをずむ癖がありました。幸子は用声を聞くたびに幸せそうで目を細めました。蒼太はその言葉を聞くと、しだけ誇らしげな顔をしました。結がここでして過ごせているという事実が、蒼太にとって何よりの応えだったのかもしれません。
1ヶほどが過ぎた頃、児童相談所を通じた正式な続きのもと、周と幸子の血縁関係を確認する鑑定がわれました。が結果を持って斎にがってきました。周は封筒を受け取ります。 「祖父母と孫として矛盾しない血縁関係が、い確率で確認されました。蒼太くんも結ちゃんも、会ご夫妻のお孫さんである能性が事実確定したということになります」
幸子の目から涙が溢れました。「私たちの孫……琢磨の子供たちが……」 周はソファにく座り込みました。40会社を引っ張ってきた男が、1枚の類のでしばらく声をせずにいました。 「結……」 は静かにを杯持ってきました。しばらくして、周が顔をげました。 「この結果は、施設側にはいつ伝わる?」
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「児童相談所を通じて正式に共されます。それを踏まえて、今の審査がむことになります」 「急いでくれ。がどれだけ残されているか分からない」 「承いたしました」
その夜、周と幸子は琢磨の部を訪れました。3そのままにしていた部です。壁にかかった琢磨の写真が見えます。20代半ばのるい表でした。周はその写真をい見つめました。カーテンをけると、窓のにあの夜と同じような空が広がっていました。
机の引きしから1冊の帳が見つかりました。々の育児の記録のような簡単なメモが並んでいます。 「今は結が初めてった」 「蒼太の学の3者面談」 「来、結の予防接種」 「来週、蒼太には3回ずつ叩いてあげること」
ごくありふれた、しかし確かな常の痕跡でした。その隣に古い携帯話がありました。事故現から回収されたまま修理にされていなかったものです。データを復旧すると、1つだけい音声メモが残されていました。付は事故の数のものでした。
周はかすかに震える指で再ボタンを押しました。 「蒼太は妹とれるくらいなら、自分が嫌われる方を選ぶだろうな……」 琢磨の声は疲れていましたが、温かいものでした。それだけのい言葉でした。周と幸子にはそれで分でした。
息子が何を見て、何を恐れ、何を守ろうとしていたのか、その全貌はまだ分かりませんでした。しかしなくとも、蒼太が抱えているもののさの端が初めて言葉になった瞬でした。