みかん小説
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"レジ打ちの妻は恥ずかしい" 第13話

数秒の沈黙の、静かに答えた。

「……何があったのかは聞かないでおこう。だが、君がそこまでい詰めた声をすからには、ただ事ではないな。分かった。を空けよう」

「ありがとうございます。所とは、追ってご連絡いたします」

話を切ると、入れ違いのように翔平から着信が入った。 私は迷わず通話ボタンを押した。

『千! やっとた! お、今どこにいるんだよ!』

焦りと苛ちの混ざった、甲い翔平の声。

『昨、母さんから聞いたぞ! 実のお母さんが倒れたって……! 母さんも悪気配があったわけじゃないんだ。ただ、結婚事な話をしにっただけで、向こうのお母さんが勝に興奮して倒れちゃったって……。おい、式まで切ってるんだぞ? いつまで実にいる気だ? の振込、今が期なんだぞ!』

受話器から流れてくる言葉のすべてが、私の予通りだった。 母の容体を気遣う言葉など言もない。あるのは、母親の保の言い訳と、目先のの話だけ。

「翔平」

私の声は、氷のように静かだった。

の午横浜のホテルの個を予約したわ。お義母様と緒に来て」

『は? 横浜? なんでそんなところで……』

「伯父の宗様にも、同席をお願いしてあるわ。結婚式の最終確認と、これからの私たちの活について、親族を交えてきちんと話をしましょう」

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『伯父さんを!? おい、なんで伯父さんを巻き込むんだよ! これは俺たちの問題だろ!』

「あなたが『結婚はとの結びつきだ』って言ったんじゃない」

私は淡々と返した。

「逃げないでね。来ないなら、この話はすべてあなたの会社の事部と、式へ直接持っていくだけだから」

『な……っ!?』

息を呑む翔平の気配を背に、私は通話をに切った。

そこからの、私はも無駄にしなかった。 幹線で京のマンスリーマンションへ私物を引き揚げ、の窓を回り、クレジットカード会社へき、式の担当プランナーと弁護士の無料法律相談窓を運んだ。

で相を殴るのではない。 社会なルールと、客観な事実と、言い逃れのできない数字の刃で、彼らの汚れた虚栄を完全に解体する。 そのための準備を、私は着々とえていった。

の午横浜の老舗ホテルの本料理入れのき届いた坪庭が見える静かな個に、苦しい空気が張り詰めていた。

座には、スーツ姿の伯父・宗様が険しい表で座っていた。 その向かいには、最のブランドスーツを着た翔平と、い化粧で品なマダムを装った悦子が並んで座っている。悦子はにした扇子をパタパタとかし、落ち着かない様子で線を泳がせていた。

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「お待たせいたしました」

私が静かに襖をけて入すると、線が斉に私に突き刺さった。 私はネイビーのシンプルなワンピースを着て、背筋を伸ばし、宗様の隣の席へと腰掛けた。

元には、ずっしりとい黒い革のファイルがつ。

「千さん、お母様の具はどうなんだい」

様が、々しい調でを切った。

「ご配をおかけしました。点滴治療を受け、ようやく識が定いたしましたが、全治の絶対静と診断されました。……こちらが、民病院の主治医による診断です」

私はファイルから最初の枚を取りし、テーブルの央へ滑らせた。 『急性血圧発作、ならびに度のストレス性ショック反応』。医師の署名と公印が、黒の用にはっきりと刻まれている。

それを見た悦子が、すかさず甲い声をげた。

「まあ! げさなことですわね! 私はただ、結婚の親族としてご挨拶に伺っただけですのに! しお話ししただけで倒れてしまわれるなんて、余程お体がくていらっしゃるのね。それをわざわざ診断まで取って見せつけるなんて、当てつけかしら?」

「母さん、やめろって……」

翔平が声で制するが、悦子は止まらない。

「いいえ、はっきり言わせていただきますわ! 宗兄さん、聞いてくださいませ。この娘さん、来翔平と式を挙げるというのに、所のスーパーでレジ打ちの仕事を辞めないと言い張るのです。

の体面を考えて、専業主婦になりなさいと親で教えてあげましたのに、恩を仇で返して! おまけに、実の親御さんまでこのような態度……。

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