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"10倍の下剤と検事になった嫁" 第2話

「いただきます」

義母が振り向き、私が噌汁をんでいるのを見て満げに微笑んだ。

その笑顔の裏にある悪を私は忘れないだろう。

美穂も自分のに置かれた椀をに取った。

「美しい」

美穂はそう言いながら、私の元にあった椀をみ干した。

私はしだけ美穂に謝った。

しかし、これはただの剤か何かだろうとそのっていたのだ。

を終え、私はに玄関へ向かった。

私は族の背に向かって声をかけた。

ってきます」

誰も返事をしなかったが、それでよかった。

私にはもうこのに未練はない。

最寄り駅に向かうを歩きながら、私はポケットの容器を握りしめた。

いプラスチックの触が私に静さを取り戻させてくれる。

試験会まではで1ほどかかる。

で私はノートをいた。

しかしに浮かぶのは、法律の条文ではなく族のたい顔ばかりだった。

なぜ私はここまで耐えてきたのか。

それはただつ、完璧な形でこのから抜けすためである。

夫の貞の証拠も、義母の横領の証拠もしずつ集めてきた。

私が検事への切符をに入れれば、全ての準備がう。

試験会の最寄り駅に着いただった。

私のスマートフォンがけたたましく震え始めた。

画面には義母の文字がっている。

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普段私に話などかけてこない義母からである。

私は嫌な予がして、駅の隅で話にた。

「はい」

話の向こうから、聞いたこともないような義母の鳴が聞こえてきた。

「由美さん、あなたどこにいるの?」

私は周囲の喧騒かられて答えた。

「駅ですが、今から試験会に向かうところです」

義母の声は恐怖で震えがっていた。

「美穂が、美穂が倒れたのよ!救急で運ばれたの!」

私はを止め、たい声で返した。

「そうですか。面接の緊張からでしょうか?」

義母は半狂乱で叫んだ。

「違うの!血を吐いて!あの子、どうして!」

私はでゆっくりと息を吐いた。

ただの剤ではなかったのだ。

義母は私に体何をませようとしたのだろうか。

私は無表のままに向かって言った。

「私は試験がありますので、失礼します」

義母の絶叫が響いた。

「待ちなさい!あなた、あの噌汁をまなかったの!?」

私は静かに話を切った。

空を見げると、抜けるような青空が広がっていた。

私はポケットの瓶をもう度確かめ、試験会への歩を踏みした。

義母が仕掛けた罠は、わぬ形で彼ら自み込もうとしている。

さな違の欠片がきな真実へと繋がる瞬づいていた。

試験会の席に座り、私は静かに呼吸をした。

周囲には緊張した面持ちの受験たちが座っている。

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私は机のに、使い古された分法全をそっと置いた。

はすり切れ、ページには無数の付箋が貼られていて、すっかり分くなっている。

これはき父が私の学入学祝いに買ってくれた宝物だった。

私は本の表を優しく撫でた。

「由美、法律はを守るための武器なんだよ」

さな町を営んでいた父はいつもそう言っていた。

父は真面目だけが取り柄のようなだった。

しかし悪を持った取引先に騙され、額の借を背負わされてしまったのである。

法律の識がなかった父は、契約の巧妙な罠を見抜けなかった。

何も言い返せないまま、を懸けて育てた会社を奪われた。

で私を見つめる父の目は悔しさに満ちていた。

父は私のを力く握った。

「おは理尽な悪に負けないになりなさい。検事になって、正しいことを貫くんだ」

それが父との最の約束だった。

私はその言葉を胸に、昼も夜も必に勉を続けた。

アルバイトで学費を稼ぎながら、なんとか司法試験に格したのこと。

仏壇ので報告したの涙の温かさを私は今でも忘れていない。

けれど、そののりは決して平坦なものではなかった。

私が夫の健会ったのは、司法修習が始まるのことだった。

は私の目を見つめて微笑んだ。

「君のを僕も全力で応援するよ。事も分担しよう」

の健はとても優しく、誠実なに見えた。

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