"井戸の謎と、睡眠薬入りの水" 第2話
私は平然と続けたが、け太郎はを赤くして聞で顔を隠した。
「俺がいるとジコは冗談に付きわされて疲れるだろ。昔はそんな女じゃなかったのに。く緒にいたせいでおまでふざけた老になっちまった」
あなたの方が老じゃない。私はまだピチピチの代よ。
「それ、勇気とかナさんに言うなよ。それこそ呆れられるぞ」
どちらともなく笑いす。そうしながら私はけ太郎の表を見た。ヶもの旅で湯治にってこいというのは本らしい。じゃあ、本当にっちゃおうかしら。
ぽつりとつぶくと、け太郎は穏やかな表で頷いた。よし、くことにする。
そうと決まれば、息子夫婦にも話さなければならない。私たちが暮らしているこのは、け太郎の両親が建てた世帯宅である。建物としてはきな軒だが、玄関だけが共用で、内側は綺麗につに分かれている作りだ。玄関を入ってが私とけ太郎の活スペース。に息子夫婦が暮らしている。
この側スペースにかつては義父が暮らしていた。に義父がくなってからは義母がでんでいたが、そんな彼女も昨界した。の半分がまるっと空いてしまったのだ。を同じくして息子である勇気の結婚も決まっていたため、彼とその嫁が暮らすということで話がまとまったのだ。
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最の若い子なのだから結婚は親かられて者で好きにするだろうとい込んでいた。しかし世帯宅での同居をく望んだのは、にも勇気と嫁のカナである。歳の勇気に対し、カナはつの姉さん女。しっかり者で私たち夫婦にとって願ったり叶ったりの良い嫁だ。堅実な性格の彼女はおそらく銭のことも考えて決断したのだろう。若いが同じ根のにいてくれるなら、こちらとしてもい。そうい、私とけ太郎は当初検討していた別居案をにし、息子夫婦と同居するに至った。
とは言っても活スペースは完全に別。普段はあまり交流がない。しかし私が期でをけるとなれば、息子夫婦もけ太郎を気にかけてくれるはずだ。やはり世帯で暮らしていてよかった。の片隅にひっそりとあったしこりがようやく消えてくれた気がした。
「おはよう。ちょっと話があって、朝からお邪魔しちゃってごめんなさいね」
け太郎と話した翌朝、速私は息子夫婦の元を訪れた。ヶも湯治にくなどと伝えれば、きっと勇気を驚くだろうとったものの。話してみると「ふーん」という気の無い返事。方でカナは目を輝かせ、胸のでをわせた。
「いいじゃないですか。お母さん、ゆっくりしてきてください」
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「ええ、そうさせてもらうわ。悪いけどカナさん、何かあったらのことをよろしくね」 「もちろんです。私に任せてください」
るく言われ、私はほっと胸を撫でろす。こうしてまさかの話があっさりとまとまり、湯治に発することになったのだ。
気がつけばもうすぐヶが経つ。あいの温泉はスマホの波がかったが、それもあるでいい方向に作用した。町へとなければ繋がらないと割り切って私から連絡を入れることもなく、完全にとなって自分と向きうを持てたのだから。
そんな静かな々ので、自然と顔見りになった湯治客がいる。朝番の湯に必ず現れる声のきい女性で、の頃は私よりしだろうか。湯に浸かるなり楽しげに世話を始めるで、すぐに打ち解けて仲良くなった。
「野さん、もうすぐ帰っちゃうんだ。寂しくなるわ。でもいつまでもをほったらかしておくわけにもいかないもんね。帰ったらが荒れに荒れてたりして」 「でも嫁がしっかり者だから。ただ息子は気がかり。当のこともだけどうでもいいって顔して。嘘でもいいから昨聞いたことのつやつ言ってくれたらいいのに」 「まあ男の子なんてそんなものよ。でもきちんとしたお嫁さんもらって、しかも緒にんでくれてるんでしょ。
いい息子さんじゃない」
「そうね」と頷こうとした瞬、言葉に詰まってしまう。