みかん小説
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"井戸の謎と、睡眠薬入りの水" 第9話

にけ太郎の方が勇気の扱いにずっとけているという事実も蘇る。記憶をに改めて実する。膝は随分と楽になった。だが勇気のいるに帰るとうと気がい。

でいると余計にね」 「え、何か言った?」 「あ、ううん、何でもないの」

るいこの湯治客の女性とももうすぐお別れだ。冗談が好きでよく喋る彼女だから、きっとけ太郎とも親しくなれただろう。やはり彼も緒に来ればよかった。そんなことをぼんやりと考える。

、私は旅館の部で荷物をまとめていた。く滞したこの所とも今でお別れだ。親しくなった湯治客とも昨すでに挨拶を済ませた。フロントでお世話になった従業員たちとも言葉を交わす。みんな本当に親切でいいばかりだ。わず涙ぐみそうになりながら、「次は夫も連れてきます」と約束をした。

「では、お願いします」

送迎の運転に謝し、座席にく腰をろす。最寄り駅へと向かって窓のを、の稜線が流れていく。来たは移も腰が辛かったはずだが、今は何ともない。体は確かに軽くなっている。それだけは疑いがなかった。

を乗り継ぎ幹線に乗り換える。指定席に着席し、ようやく息ついたところで私はスマホを取りした。

「今幹線に乗りました。夕方には着く予定です」

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け太郎に当ててくメールを打つ。ほとんど同じ内容を勇気、カナの順に送る。その返事をよしてきたのはカナだけだった。

『駅までで迎えにきますね。旅お疲れ様でした』

簡潔で気遣いのある文面が彼女らしい。私はさく息を吐き、肩の力を抜く。

「け太郎はメール読んでないのかしら」

勇気から返事がないのは定内だったが、け太郎まで何も音汰がないのが気になった。まあ、そのうち帰ってくるでしょ。それにカナさんがいるんだから丈夫。自分に言い聞かせ、余計にじるまぶたを閉じる。

ふと目を覚ましたには、窓のの景がいつのにか都会のに変わっていた。ビルの群れ、密集する宅、線。幹線をり、来線に乗り換える頃には、数まで静かでい温泉にいたことなど嘘のようにじられた。

なんだかから覚めた気分ね。

独り言を言いながら改札をくぐると、カナの姿がすぐ目にび込んでくる。

「お母さん、お疲れ様でした!」

と何も変わらない笑顔。きくを振る彼女に、私も胸のを振りながらづいていく。

「カナさん、ありがとうね。迎えに来てもらっちゃって」 「いえ、とんでもない。最初からそのつもりでしたから。そうだ、喉乾いてませんか? よかったらどうぞ」 「あら、ありがとう」

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の入ったペットボトルを渡される。本当に気が利くとしてしまった。しかしむと途トイレにきたくなるかもしれない。そうい、カナが歩きした際に私はげバッグにペットボトルをしまった。

の駐に止めてあったカナ専用の軽自に乗り込む。そういえば彼女のは初めてだ。内は何やら物がかった。ぬいぐるみや用インテリアの類いではない。ルームミラーからぶらがるいくつものお守り。ダッシュボードにはさなつ等覚に並べてされていた。落ちないように固定されている様子もないのに、議と綺麗に揃っている。

何より気になるのは内を満たすりだ。芳剤というより、昔どこかのお寺で嗅いだ匂いにい。な趣だったが、あえてにするのも違うだろう。そうい、私はの様子を尋ねた。

「勇気とけ太郎は元気? ともメールしたのに返事がないのよ。にいるのかしら? それともどこかにかけてる?」

何気ない会話だ。しかしカナはさっきまでの雰囲気と打って変わり、どこかよそよそしく答えた。

まあ、もうすぐ着きますから。

その返答が妙に胸に引っかかる。違を覚え、彼女の横顔を見た。こちらのに気づいているだろうに、ちらりとも顔を向けない。

諦めた私は何気なくナビに線をやった。

ん? 図のに「最の目」というさな文字がを放っている。

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