みかん小説
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"井戸の謎と、睡眠薬入りの水" 第11話

族のために抑え込んできた何かが、今になって気に吹きしてくる。

よし、くわよ。のドアを乱暴にけ、運転席に滑り込んだ。シートに腰を落とした瞬、懐かしい匂いがをつく。カナのを満たしていたわけのわからないアジアンテイストなりなどではなく、これぞの自の匂いである。

できるものなら捕まえてみなさい。

鍵を差し込み、ひねる。拍置いてからエンジンが唸り声をげた。その振がハンドルを通してのひらに伝わり、をアドレナリンが満たす。

ぶりの運転席だ。それでもはない。恐怖よりもりが勝っていたし、何より体が言うことを聞く。今だったらマニュアルでも、なんならジャンボジェットだって運転できそうね。

自分でも驚くほどの軽をついてる。笑っているではないのに角が勝がった。ブレーキを踏み、ギアをドライブに入れる。サイドブレーキをろしてブレーキからした瞬へと滑りした。

よ!

へとてアクセルを踏み込む。界の端で、もたつきながら玄関をてくる勇気とカナの姿を捉えた。ともまだ若いのに、気ばかりで体がついてこないらしい。私はそんな彼らをで笑い、徐々に加速しながら通りを目指した。

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ふと先ほど見た文字列がで鮮に蘇る。カナのカーナビ画面にあった「齢者ケアセンター」という名称。さく表示されていた所までがなぜかはっきりとせる。

そこにいるのね、け太郎。

自分でも驚くほど記憶は確かだった。きっと無識のうちに脳裏に焼きついていたのだろう。私は辺りを見回し、目についたコンビニの駐へとハンドルを切った。

ブレーキを踏み、を止める。すぐさまグローブボックスをけ、奥にしまっていた図を引っ張りす。角が折れ、何度も広げられた跡のある期の入った図だ。ナビなんてなかった代の代物よ。ページをめくりながらわずごちる。

若い頃、け太郎とが何度もこれを広げた。旅の度に私は助席で図を持ち、を指示してきたのだ。け太郎の隣でナビ代わりをしてきた私を舐めないでちょうだい。

指先で名をなぞり、を組みてていく。幹線本裏の抜け、信号のい交差点。施設の位置はっていたよりも分かりやすかった。ここをこうって、次をね。すことで順がさらに確かなものになる。

迷いはなかった。むしろ久しぶりに自分の得分野に戻ってきたような覚すらある。

ん? そのだった。駐の入りから見覚えのある軽自が入ってくる。

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カナのだ。

来たわね。

バックミラー越しに減速しながらづいてくる様子が見えた。私は図を元の所に押し込み、ギアにを伸ばす。それと同にカナのが隣へと滑り込んできた。窓がすーっとき、勇気が顔を覗かせる。

「どこにくつもりだよ!」

聞き慣れた声が苛ちを含んで響く。カナもを乗りいた。

「お母さん、危ないでしょ? 事故になるしく帰ってきてください」

を睨みつける。すると勇気がふんと見しながら言う。

「父さんがどの施設にいるかもらないだろう。帰って来いよ。きちんとで教えてやるから。その、ナビ壊れてますよね。どこにもけませんよ」

私はすぐに発できるようバッグにギアを入れてから、素く窓をけた。

「ゆき、子供の頃あちこちに旅ったわよね。どうして迷わずたどり着けたとう? 私という優秀なナビが助席にいたからよ」 「は? 何の話だよ。とにかくしく帰ってこいって!」

そう言って勇気がしてくる。同に私はを素くバックさせ、切り返して正面を向き直った。

「おい、息子を轢きかけかよ!」

でわめく勇気に聞こえるよう、私は声で叫ぶ。

「何でも械に頼りっぱなしのあんたたちとは違うのよ!」

そのままへ踊りて、流した。

ハンドルを握るに迷いはない。け太郎を目指してひたるのみだ。

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