"井戸の謎と、睡眠薬入りの水" 第14話
けると仕事帰りなのか、っていたのはまだスーツ姿の勇気。「遅かったんだな」とねぎらいの言葉をかけた父に対し、勇気は無表のままあるものを差しした。
だった。ペットボトルに入った。ただパッケージが何もなかったんだ。だが勇気が言うには、「これは特別なだから」と。
特別って何だといくら聞いても何も答えない。いいからのめと言わんばかりに押し付けてくるだけだ。その瞬、まるで勇気がらないのように見えたんだ。
その言葉にわず息をむ。今私がじたことを、け太郎はヶにくも経験していたのだ。
何か気でな、まずに捨てたよ。だけど翌朝、朝のにかナさんがあのペットボトルが何本も入った段ボールを渡してきた。「販のは良くない」とに語った、彼女は「みは今全てこれにしてください」と言ってのけたという。
よくあるだろう、いの通販とか、健康志向でみにこだわるってのもいる。ああ、カナさんもその類いだったんだなとったよ。気はまなかったがはである。昨晩は捨ててしまったものの、ここでそれを言うのも、段ボールの受け取りを拒否するのも面倒なことになる未来しか見えなかった。
そのためけ太郎は素直に受け取ったらしい。
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するとまたカナは気が悪いほどのテンションでんだ。「素らしい」って言って文字通りびねてたよ。のがだぞ、朝っぱらから。わず呆れてたんだが……勇気がな。
全でを表すカナの背に勇気がっていた。その顔を見た瞬、け太郎の背に寒いものがる。
笑ってたんだ。満面の笑みだよ。でも俺のる勇気の笑顔じゃなかった。目がきっちりとへの字になってて、異様だったんだ。まあ、そう見えただけかもしれないんだが。
そう言ってけ太郎はい目をした。
朝でたジャムもカナさんの作りだった。ハーブのような変な匂いがくてな。きっとそういうりのいメニューに眠薬を混ぜてたんだろう。
私がをけて目の朝、彼は初めて体の異常を自覚する。
リモコンを落としたんだ。識してしっかり力を入れれば持てる。だけど自然な作で掴もうとするとダメだった。このにはまだカナの作る料理に、勇気の態度にしの違を覚えていただけだった。だからまさか料理に何かが混ぜられているとはえず、け太郎は以も数カナの料理をべ続ける。
だけどな、いつのにか耐えられなくなってくる。てくるのは見たこともない、聞いたこともないものばかりだからな。初のカレーだけだ、料理名が分かったのは。
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先が器用で何でもやってのけるけ太郎だが、昔から料理だけはからっきしだ。スーパーで来いを買ってこようと目の昼、に乗った。しかし運転席に座った瞬、無理だと悟ったという。
ハンドルを握れなかった。リモコンを落としていく。識してに力を込めるようにしてたんだ。の適応力っていうのはすごいもんだな。すっかりそれが普通になってたんだが。のでの何気ない作とは違う、運転というき。それをにしてやっと体が言うことを聞かない恐怖に打ちのめされた。
揺しながらをりると、玄関ドアのにカナがっていたそうだ。勇気が見せたあの奇妙な笑顔を彼女も浮かべているように見えた。逃げなくてはとうのに体に力が入らない。
「どこへくんですか? お昼ご飯できましたよ」
こちらへと歩みをめながら彼女が言う。もう事は結構だとけ太郎はにしたつもりだった。しかしに届いたのは呂律の回っていない自分の声と、カナの笑い声だけ。
「え、何ですか? もっとはっきり喋ってください」
わずずさった瞬、膝の力が抜けた。け太郎は倒れ込み、次に気がついたは勇気とかナさんの居側のリビングにいたという。ソファーに寝かされてた。仕事にったはずの勇気もいてな。
が俺を覗き込んでニヤニヤ笑ってた。「こいつらは おかしい」と、そのようやく悟ったよ。