"井戸の謎と、睡眠薬入りの水" 第17話
だったら現実な話をさせてもらうけど。
ライトで姿がはっきり見えているに、私はさらに懐灯のかりを当てた。
「あなたたち、料払ってないわよねえ。あと気代も。そんなこと言ったらガス代もだわ。全部お父さん名義の座から引かれてるのよ。それを分かってこんなことやってるの?」
勇気が目遣いでこちらを見る。今そんな話をするのかという線だ。だがの分からないものにすがっているような連には、きていくでの圧倒な現実を見せなければならない。
「公共料返しなさいよ」 「なんだよ、いきなり! 今までそんなこと言わなかったくせに」 「息子夫婦がそばにいてくれるんだもの、ありがたいとって、あなたたちから申しがあるまではこっちで負担しましょうって、お父さんとはそう話してたの」
いつのにか涙も止まったのか、勇気が私を睨みつける。彼が子供の頃から何度も見てきた被害者識を隠そうとしない目だ。
「払いたくて払ってたんだろ? じゃあいいじゃないか。俺たちは悪くない」 「そうね。でもわけのわからないことのためにを無駄遣いしたり、気を使われるのは嫌。気持ち悪いし」 「気持ち悪いって……好き放題言いやがって! これは俺とカナの神聖な儀式なんだぞ。ただのじゃない、浄化された清だ!」
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元に転がるペットボトルを拾いげ、かにかざす。
「神聖、浄化……。これ、あなたたちは体何をしているの? お父さんからざっくりとは聞いたけど。言ってもいいかしら? 正直馬鹿としかわないの。分かるように説して」
促すように首をかしげると、勇気がをいた。
「だから、そのをペットボトルに入れて……」 「親に代を払わせているでしょ? 正確に言いなさい」 「ち……っ、あ、そうだよ! で、ペットボトルを井戸のに並べるんだ。夜のに。そしたらカナが祈りを捧げる。彼女には特別な力があるから」
懐灯をカナに当てる。力って、どんな力よ。
「カナはの神様の使いなんだよ。彼女が祈りを捧えたをめば、魂が浄化されてやしみから解放されて……ほんとうのをきられるっていう」
第者に向けて説しているうちに、自分は何を言っているのかとに返る瞬がにはあるはずだ。狙い通り、勇気の声は徐々にさくなっていった。そこを私は逃さない。
「どうして夜のなの? である理由は? とカナさんにどんな繋がりがある? どうして彼女だけ特別なの?」 「体のパーセントはなのよ。だ、だからそれを……」 「もう、っぺんに聞くなよ!」 「の理由が説できないの? わざわざライト置いて余計な気代を使ってやってるのに。
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もったいないから昼にしなさいよ」 「いや、昼もダメだ。恥ずかしいから」
さらに言うと、勇気がちがった。
「恥ずかしいとか言うな! 俺たちは真剣なんだ。おい、カナ、母さんにきちんと説してやってくれ。なぜなのか、なぜペットボトルの数が本なのか。君がなぜの神……」 「毎本も用してたの? 腐ってるとか汚れてるとか言ってたけど、その本が使えるタイムリミットはどれだけなのよ?」 「だけど……」
わず呆れた息が漏れる。
「それ全部むの? めないわよね。残った分は捨ててる? やっぱり料払いなさいよ!」
勇気が肩をびくりと震わせ、助けを求める線をカナに向けた。あのねぇ……バカバかしいとう気持ちを懸命抑え込んで聞いてあげる。カナさん、説してみなさい。そのよくわからないルールの理由を。
く問いかける。カナは俯いたまま、ぽつぽつと話し始めた。
「ですから……はその神聖なであって……は私が〇まれだから……」
墓よりもたい沈黙がそのに落ちる。先にをいたのは私ではなく、勇気だった。
「え、まれた? 何それ? 神聖なって……だから、その神聖な理由を説しなきゃ」
カナは答えない。ただ指先をギュッと握りしめている。
「え、できないの?」 「その、えっと……」
言葉を探すように彼女の線がを泳ぐ。
「できるよね? カナは特別なんだから」 「できるわけないじゃない。