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"井戸の謎と、睡眠薬入りの水" 第18話

ただの言い訳よ」

淡々と告げると、勇気がこちらを見た。勇気こそ、きちんとした理由も聞かないで盲目に信じてたの? それもどうかとうけど。

「違う、僕は……」

息をのむ音が聞こえる。悔しさともりとも違う、複雑な気持ちを表しているような音だった。

「言いなさいよ。これだけバカ話に付きってきたの。何を言われても驚かないわよ」 「僕はただ……嬉しかったんだ」

そう言って瞬カナを見るが、彼女はかない。諦めたように勇気の線がに落ちる。

「ずっとした。でも学でも職でも、いつも僕は悪者だ。だから辛かった。苦しかった」

握った拳が震えていた。に照らされ、それがはっきりと見える。

「カナが初めてだったんだ。僕の話を否定せずに聞いてくれた初めてのだった」

私は遮り切らず、ただが子の話にを傾けた。

「僕の辛さを、『僕が悪いんじゃないって』はっきり言ってくれたんだ。『もうしなくていい、私があなたを解放してあげる』って。だから信じたんだ」

勇気が顔をげ、まっすぐにこちらを見る。そこにはりも興奮もない。ただむきしのさがあった。

「でも、やっぱり僕が違ってたのか……なぁ、カナ、なんであんなこと言ったんだ? どうして僕たちは結婚した? 何のために寝る削って祈りを捧げてきたんだよ」

切実な問いに、カナは肩をびくりと震わせる。

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そしてようやく彼女はいた。

「私、子供の頃から友達いなくて……理由は分かってる。私が嘘つきだから、みんなをつかしてれていくの」

ぽつぽつと独り言のように言葉をつむぐ。

所にんでた占いのできるおばあさんに言われたの。『嘘をつきたくなったらおをゴクッとみなさい。嘘ごとみ込みなさい』って」

ぽつぽつと独り言のように言葉をつむぐ。みんなが私を無したのに、勇気だけは違った。私に何もかも話して、私に頼ってくれたの。嬉しかった。必とされると自分が特別なになった気がしたのよ。それで……。

「それで……?」 「その、勇気がにある井戸の話をしてくれた。『子供の頃井戸を覗いてられた。自分だけづけない、は何か隠してるとった』って」

彼女のうろんな目が私を捉える。

「私の体のを満たしているものが何だか分かりますか? 嘘。そう、み込み続けた嘘。これだとったの。昔からオカルトやスピリチュアルは好きだったし、に絡めたそれらしい……勇気がもっと私を必としてくれるような……」

話しながらその浅さに気づいたのだろうか、カナは両で顔を覆う。

「勇気は井戸に何かあると本気で信じてるみたいだったし、だからそれに便乗しました。そうしたらやめられなくなったんです。嘘を嘘だと認めたら、私が特別じゃなくなる……」

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「なんだよそれ……っ、は、嘘……」

い声がを切った。

「じゃあ僕のためじゃなくて、自分のためだったってことか……」

カナは何も答えない。勇気はふらりとをずさった。

「僕のも辛さも全部……ただの材料だったのか。僕は利用されてただけ……」

震える声であえぐようにつぶやく。私はを交互に見つめ、そっといた。

「勇気もカナさんも、かっただけ。あなたたちはお互いに依してたのよ。夫婦の絆も信頼もない、そんなもろい関係、いずれ崩れるわ」

ライトのに照らされた井戸の縁にちらりと目をやる。それが今だったのね。

「で、でもお母さんだって湯治に頼ったじゃないですか! 医療でも科学でもなく自然の力に……」

同列にする気かと息を漏らしてから、私はまっすぐ告げる。

「湯治は、同じで繰り返しわれてきた療養法よ。それをカナさんは自分のな承認欲求とだけなぞった嘘の儀式と並べるのね」 「なっ……」 「告して反省するのかといきや、やっぱりだめね。恥をりなさい!」

悔しいのか揺なのか、彼女は唇を震わせた。

「それに、湯治はする夫が勧めてくれたの。彼がけというのなら私は球の裏側にだってくわ。浅なあなたには分からないかもしれないけど」

あともうつ。え?

「井戸に神様が宿るという考え方自体は確かにあるわ。

昔からは命そのものだった。だから井戸はでも特別に事にされてきた所よ」

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