"確率99.97%の父子鑑定" 第7話
宗介の顎が、りでカチカチと音をてた。 宗介は黙って母をそのに残し、言も発せずに2階の斎へと向かった。ふさ子はソファから勢いよくちがり、背から叫んだ。 「どこにく気なの!?」
宗介は斎の本棚の裏にある隠し庫をけた。田健に命じた徹底な調査の結果、ふさ子が3の婚直に、特定の産婦科医に連絡をとっていた記録がてきていたからだ。 類箱のから、3の付が記された古い病院の封筒がてきた。宗介が封筒を破ると、には2つのものが収められていた。みさきのエコー写真(妊娠初期の胎児の写真)1枚と、母が直でいたとわれるメモきが1枚。 ——『この事実が部に漏れないように処理しなさい。費用は別途お支払いします』
メモの跡は、宗介が幼い頃から見慣れてきた母のそれと完全に致していた。 宗介の指先が、りと衝撃で真っになった。母がなぜこの証拠を3も処分せずに持っていたのかを問うに、ふさ子がみさきの妊娠を婚からっていながら、図にそれを隠蔽していたというかぬ事実そのものが、宗介の全を押し潰した。
宗介は写真とメモをに取り、リビングへ戻った。ふさ子の目ののテーブルに2枚のを乱暴に並べ、い声で尋ねた。 「母さんは……みさきが子供を籠っているとりながら、あのをから追いしたのですか」
広告
ふさ子の顔が、初めて音をてて崩れた。ティーカップを持つ許が、激しく震えている。 い、苦しい沈黙の末、ふさ子がやっとをいた。 「……あの女の子供が、葉の跡取りになるなんて、見過ごせるわけがなかった」 ふさ子の声は震えながらも、異常なまでの確信に満ちていた。 「柄の違う女の腹からまれた子どもを、代々続くがの取りとして受け入れることなど、できるわけがなかったのよ!」
宗介は両拳を固く握りしめた。 ふさ子は続ける。 「みさが妊娠しているとって、私が直接会って2つの選択肢を与えたわ。『子供をろして嫁として残るか、子供を連れて静かにるか』ってね」 宗介の唇がかすかに震えた。 「みさがどちらを選んだかは、あなたにもわかるでしょう? だから、あんなにく婚が成したのよ」
宗介はを見ろした。自分が信じ込んでいた婚のすべてが、完璧な偽りだったという現実が、全の血管を駆け巡った。みさきが慰謝料も弁護士もなしに静かにった理由、玄関で度も振り返らなかった理由——そのすべてが、母の酷な脅迫ので、お腹の子供を命がけで守るための彼女なりの選択だったことを、彼は今になってようやくったのだった。
「……今から、母さんと俺は、親子ではない」 宗介は胎児の写真とメモをに取り、そのまま振り返らずに敷をていった。
広告
ふさ子はソファからちがれないまま、息子のたい背を見つめることしかできなかった。
に乗り込んだ宗介は、すぐに田健に話を入れた。 「母の、葉グループ財団の代表理事の職を即座に解任する続きを検討してくれ。母がグループ内で再び力を使えるを、すべて塞ぐんだ」
話を切った直、敷ではふさ子が慌てて藤原彩佳に話をかけていた。 「宗介があの写真を見つけたわ……が効かない以、別のを使わなければならないわね」 ふさ子の声はく沈んでいた。 「みさきの堂のを探して、賃貸契約でも何でもいいわ、圧力をかけられるみがあるはずよ。それと、子供の届の問題も、役所に働きかけて……」
藤原彩佳はふさ子の指示を受けながら、自分だけの計算を働かせていた。みさきと子供のが世にられれば宗介の再婚はになり、再婚がなくなれば父親の法律事務所の葉グループとの顧問契約も危うくなる。みさきを宗介の界から完全に消しることだけが、自分と父親双方の利益を守る唯のだと彼女は勝に判断していたのだ。
方、伊では、みさきが極度にを疲弊させていた。宗介にも彩佳にも執拗に追い詰められる、ある、保育園の担任教師から突然話があった。