"50億を消した傲慢行員の末路" 第8話
「をげてくださればいい、専務。田もね」 私が静かに声をかけると、2はビクッと体を震わせ、おずおずと顔をげた。 専務の顔には濃い疲労のが浮かび、田に至っては晩で10歳は老け込んだようにこけ、目のには真っ黒なクマができていた。
「私のような卒でまみれの老に、のトップが座など似いませんよ」 私のその言葉は決して嫌のつもりではなかった。しかし彼らにとっては、何千本もの針でを刺されるよりも辛い響きを持っていたようだ。
田の目からポロポロと粒の涙がこぼれ落ちた。 「田会、本当に……何とお詫びを申しげれば良いか……。が社の員が会に対してあのような許されざる暴言を吐き、挙句の果てに追い返すなど、員として、いやとしてあり得ません。すべては私の教育のき届きでございます……!」
田の痛切な声が、広い執務に響きわたる。 「あの鈴という員は、本付けで懲戒解雇の続きに入りました。若葉町支も来を持って閉鎖いたします。私自もすべての責任を取り、職をる覚悟でございます。どうか、どうかこれ以の取引止だけは……当の関連企業への響だけは、ご容赦いただけないでしょうか……!」
田は再びに顔を押し当てた。専務もまた、苦渋に満ちた顔でくを垂れている。
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彼らが守りたいのは、の信用と数字だ。50億円の引きげだけでなく、田グループに関連する何百という受け企業が斉につ葉から資を移し替えている。その連鎖な信用は、メガバンクの台骨すら揺がしかねない巨なうねりとなっていた。
私はローテーブルのに置かれた分い類の束に目を落とした。全座資移依頼と、印鑑が用した正式な類だ。 私は懐から、使い込まれた古い布の印鑑ケースを取りした。もう40もに、妻の子が縫いで作ってくれたものだった。しあせて端の方ほれているが、私にとってはどんな級なブランド物よりも価値のある宝物だった。
「田さん、顔をげてください」 私が言うと、田は涙とで顔をぐしゃぐしゃにしながら顔をげた。 「私はね、50、あなた方の若葉町支で初めてこの印鑑を使いました。当の吉田支が、学歴もない、実績もない私のだらけのを握って、『あなたの性に投資する』と言ってくださったあののことは、昨のことのように鮮に覚えてます」
私はケースからしかけた製の印鑑を取りした。 「吉田さんは私にこう教えてくれました。『の庫には、ただのお札が入っているわけではない。そこにはで汗垂らして働く々の血と涙と、族のためののが詰まっているんだ』と」
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田の目がはっときく見かれた。 「員とは、その切なのみを預かる仕事だ。そう教わったからこそ、私は50、あの支に恩をじ、切な資を預け続けてきました」
私は静かに田の目を見据えた。 「しかし、あの鈴という若い員はどうでしたか? 彼が見ていたのは、私の着ていた古い作業と『卒』という学歴という表面な記号だけでした。彼は自分より条件が劣っていると判断したを底辺だと見し、嘲笑した」
田の喉からうめきような音が漏れた。 「田さん、あなたは支として、彼に何を教えてきたのですか? 預残という数字の取り方は教えたのでしょう。しかし、その数字の裏にあるののさを、なぜ教えなかったのですか?」
私の問いかけに、田は両で顔を覆い、子供のように声をげて泣き崩れた。 「申し訳ありません……おっしゃる通りです。私は波をてず、層部の顔だけを伺い、数字さえ取ってくればいいと教育を放棄していました。として1番切なことを教える責任を完全に放棄していました……私の、私の罪です……!」
田の慟哭が部に響き渡る。彼は自分のことなかれ主義が部のを歪ませ、結果として何もの部のを破壊してしまったことに、底打ちのめされていた。