"50億を消した傲慢行員の末路" 第20話
あの夜の資材があったからこそ、私たちは納期ににわせ、会社の危を切り抜けることができた。私にとっては、渡辺さんはを向けて寝ることすらできない、命の恩なのだ。
あの鈴という男は、相が融の識を持たない齢者だと見定めて「絶対に損をしない」と嘘をつき、退職と老資の2000万円を巻きげたのだな。
「はい。報告によれば、当から認症の初期症状があった奥様のにつけ込み、引に契約に捺印をさせていたようです。結果として資は数ヶで溶け、渡辺様ご夫婦はんでいたまで放すことになりました」
佐藤の報告を聞く度に、胸の奥で煮えたるようなりが膨れがっていく。 「そして、つ葉は事実をりながら警察には届けず、顧客の自己責任による投資の失敗として隠蔽した……違いないか?」 「違いありません。当の支が自分の評価をげることを恐れ、内部でもみ消しました。その証拠となる支と鈴のやり取りの音声データや、改ざされた内部資料のコピーもすでに探偵事務所が確保しております」
「そうか……」 私はゆっくりとちがり、窓のを見ろした。が切れ、わずかに夕がを照らし始めていた。
私個を侮辱しただけなら、縁を切るだけで済ませるつもりだった。
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だが、のい齢者を騙し、の善をい物にしておきながら、エリート面をしてのうのうときているなど、絶対に許すわけにはいかない。
私は佐藤を振り返った。 「佐藤、この証拠資料をすべて警庁の捜査課へ、そして融庁へ提しろ。がグループの総力をげて、鈴という男、そして正を隠蔽したつ葉の腐った体質を、完全にのにさらすのだ」
「承いたしました。容赦はいたしません」
佐藤の徹な声が、反撃の狼煙となった。
方、その頃、都内にある鈴の級マンションのでは、獄のような修羅が展されていた。
「あんた……体、どういうことなのよ!」
バァンッ、と激しく玄関のドアがき、のままリビングにがり込んできたのは、鈴の母親であるり子だった。 ソファで毛布にくるまってうろたえていた鈴は、ビクッと体を振わせた。 「お母さん……」 「お母さんじゃないわよ! さっき病院の奥様から正式に婚約破棄の話があったわ。それだけじゃない、親戚のおばさんからも『健太君をクビになったんだって?』って話が来たのよ。どうして、どうしてあんたみたいなエリートが懲戒解雇なんてされるのよ!」
り子は錯乱したように叫びながら、クッションを鈴に投げつけた。 「あんたを流の学に入れて、流のに入れるためにお母さんがどれほど苦労したとってるの! おに……どれほど自の息子だったか……! それが無職……冗談じゃないわよ! 私の顔にを塗る気……!」
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母親のからるのは、息子のを案じる言葉ではない。ただひたすら自分の世体が傷つけられたことに対する、りだけだった。
「うるさいな! 俺だってこんなはずじゃなかったんだよ!」 鈴はを抱えながら叫び返した。 「あの汚いじいさんが、まさか企業の会だなんて分かるわけないだろう! 俺は悪くない、運が悪かっただけだ! 体、母さんが『貧乏とは関わるな』って育てたんだろうが!」
「親に向かって答えするんじゃないわよ! 、その会のところに座しにきなさい! 絶対にお願いして首を撤回してもらうのよ。そうしないと私、恥ずかしくても歩けないわよ!」
親子の見にくい責任のなすり付けいが続く、リビングのテーブルに放りされていた鈴のスマートフォンが、けたたましい着信音を鳴らし始めた。 画面に表示されたのは「事部」の文字だった。 鈴の臓が恐怖でねがった。つい先ほど、自分に無期限の自宅謹慎と実質の懲戒解雇を言い渡した、あの酷な事部だ。
「で、話だ……からだ……」 鈴が震える声で言うと、り子は目を輝かせた。 「ほら! きっと違いだったのよ! くなさい、『から復帰してくれ』って言われるに決まってるわ!」