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"会長を救った孤児と十年目のDNA" 第19話

誰も異議を唱えなかった。

の役員ががり、げた。

それを見て、またがる。

やがて、会議の全員ががり、健造と勇気に向かってげた。

勇気は、部を埋めるたちが自分に斉にげる景を見つめていた。

初めて見るものを見るような目だった。

どうすればいいか分からない顔をしている。

健造が勇気の肩にを置いた。

げなさい」

声で優しく促した。

勇気は言われた通り、げた。

そのさな姿が、議なほどに堂々としていた。

取締役会が終わったのは、昼だった。

役員たちが順に会議ていく。

片付けをする、健造は勇気を連れて本社ビルの7階の廊た。

の突き当たりにさな窓がある。

そこから、京の側の並みが見渡せた。

健造はその窓のち、を見た。

勇気も隣にち、同じ方向を見る。

は並んでしばらく黙っていた。

健造が先にいた。

「疲れたか」

勇気はし考えてから答えた。

し」

健造は窓のを見たまま言った。

「よくやった」

勇気は答えなかった。

しかし、胸元の帳をでそっと押さえた。

が廊てきて、健造にづいた。

「会、刑事から連絡が入っています」

は声を落とした。

しよろしいでしょうか?」

健造は勇気に「ここで待っていなさい」

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と言い、田と廊の端に移した。

い声で話し始めた。

内容はかったが、極めていものだった。

「悟の柄確保、警察の本格な取り調べが始まりました」

元のメモを見ながら報告する。

「悟の自宅と会社のロッカーから、複数の証拠品が押収されたという報告です」

は顔をげた。

「そのに、10の事故に関連するものが含まれていました」

健造は無言で先を促した。

「当の事故両のブレーキ系統に使われていたものと同型の具。そして、幸介さんののナンバーが記されたメモが、悟の私物のからてきました」

の声がわずかにくなる。

「加えて、事故当に悟が接触していた物のが、今回の誘拐への関与を認める過程で、10の関与についても認め始めているということです」

礼した。

「担当刑事は、正式な事聴取は改めてお願いすると伝えてきています」

は報告を終え、健造の顔を見た。

健造は窓の方を向いたまま、じっと聞いていた。

報告が終わっても、すぐにはかなかった。

は健造の横顔を見つめていた。

72歳の男の顔に、今この瞬、何が通りすぎているのか。

には正確には読めなかった。

りではなかった。

しみとも違った。

10の息子のを、事故として受け入れてきたその10

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それが今こので、まったく別の恐ろしいを持ち始めた。

そのさは、田には像することしかできない。

「分かった」

健造はやがて言った。

声は静かだった。

静かすぎて、田には何かを必にこらえているように聞こえた。

「幸介のことはきちんと決着をつける。悟のことは警察に任せる」

健造は振り返った。

「私たちがやるべきことは別にある」

く頷いた。

「はい」

健造は廊の端から、勇気の方に目を向けた。

勇気は窓のち、を見ている。

このろ姿が、幸介に似ていた。

健造はそれをしばらく見てから、歩き始めた。

本社ビルをに乗り込む、健造は正面玄関のち止まった。

空のがさらにくなっている。

差しが、たい畳に落ちていた。

健造は空を仰いだ。

それから目を戻し、田確な指示をした。

「あかりさんのことを調べてくれ」

は目を瞬かせた。

「幸介の妻だ。勇気の母親だ」

は即座に直し、答えた。

「はい。しているかどうか、どこにいるかを含めて全力で。かしこまりました」

し言いよどんだ。

「ただ、見つかったとして、どうされますか?」

健造は田を見た。

「会いにく」

迷いのない声だった。

「それだけだ」

邸宅に戻ったそのの午から、田はあかりの追跡を猛烈な勢いで始した。

幸介との婚姻届けの記録。

幸介の事故民票のき。

しかし、10を境に、あかりの記録はぷっつりと途切れていた。

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