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"乳がん手術日にゴルフへ行った夫の末路" 第2話

私は彼に向かって、絞りすように言った。

「病院で、胸の検査をしてるの」

啓介は箸をとめなかった。

鮭の塩焼きをつついている。

「そっか」

彼は顔をげなかった。

「まあ、丈夫じゃないの?」

彼はテレビの野球継に目を戻した。

そして、お椀を持ちげて噌汁をすすった。

何の検査とも聞かれなかった。

どこの病院とも聞かれなかった。

私は黙って自分の箸をかした。

箸を握るが、しだけ震えていた。

1週

私は結果を聞きに、再び学病院を訪れた。

診察に呼ばれる。

机の向こうで、医師が私を真っ直ぐに見た。

そして、静かな声で言った。

「乳がんです」

が真っになった。

の奥で、い音が鳴った。

周りの音がのいていく気がした。

医師のいている。

期ではあります」

私は必にその言葉を拾い集めた。

「ただ、術は必です」

医師は類に目を落とし、再び私を見た。

「次回、ご族と緒に来てください」

私は力なく頷いた。

病院をた。

ドアがき、の空気が顔に当たる。

れていた。

つない青空だった。

線が、やけに鮮に見えた。

そのさが、今の私には目に痛かった。

私はゆっくりと歩き、自分のに向かった。

ドアをけて、運転席に座る。

でハンドルをく握りしめた。

すぐにはエンジンをかけられなかった。

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優馬の顔が浮かんだ。

優馬はまだ、3歳になったばかりだった。

震えるで、バッグからスマートフォンを取りした。

画面をスクロールし、啓介の名をタップした。

に当てる。

呼びし音が鳴った。

3回鳴ったところで、話が繋がった。

「どうした?」

啓介の、いつもと変わらない声が聞こえた。

私は息を吸い込んだ。

そして、震える声で言った。

「乳がんだった」

話の向こうで、沈黙が落ちた。

2秒。

3秒。

「え、マジで?」

啓介の声が、しだけくなった。

私はハンドルを握るに力を込めた。

術が必だって」

私は医師から言われたことをそのまま伝えた。

族と緒に、説を聞きに来て欲しいって」

啓介はを置いた。

「分かった」

彼は言った。

「いつ?」

「来週の曜」

私は元のメモを見て答えた。

解。く」

彼はく答えた。

驚いてはいた。

でも、声の温度がかった。

それでも。

このは来てくれる。

緒に話を聞いてくれる。

あのの私は、まだそう信じていた。

、啓介はスーツのまま来た。

から歩いてきて、診察つ私の隣に来た。

彼はすぐに腕計を見た。

ったな」

彼はそう言って、息を吐いた。

それだけだった。

私の方を見て、「丈夫か」とも聞かなかった。

「怖くないか」とも言わなかった。

私は黙って頷いた。

が呼ばれ、診察に入る。

パイプ子に並んで座った。

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医師がパソコンのモニターに、私の検査画像を映しした。

「こちらが、病変の部分です」

医師はペンで画面を指し示しながら、説を始めた。

切除の範囲。

リンパ節の検査の方法。

麻酔に伴うリスク。

の経過。

退院の通院の頻度。

私は1つ1つく頷き、元のノートにメモを取った。

隣に座る啓介を見た。

彼は、私よりし遅れて頷いていた。

モニターを見てはいる。

聞いてはいる。

だが、分かってはいない。

そんな顔だった。

まるで、会議で自分の担当じゃない議題を聞いているのような顔だった。

「何か、ご質問はありますか?」

医師が説を終え、私たちを見た。

私がこうとした瞬だった。

丈夫です」

啓介が即答した。

私は彼を見た。

私には、まだ聞きたいことがたくさんあった。

の痛みはどれくらい続くのか。

入浴はいつからできるのか。

子供の世話への響はあるのか。

でも、啓介が「丈夫ですね」とを押すように言った。

診察の空気が、パタンと閉まった。

私はけかけたを閉じた。

診察、私は廊ち止まりたかった。

怖かったのだ。

自分の体にメスが入り、部が切り取られる。

その恐怖を、誰かに寄りかかって共したかった。

だが、啓介はち止まらなかった。

「先、分かりやすかったな」

彼はを向いたまま歩いていく。

「やっぱ、医者に任せるのが1番だわ」

で廊を歩いていく。

私はその背を、し遅れて追いかけた。

階段をりる途だった。

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