"ドアの黄色の付箋" 第4話
台はキッチンの調料ラックの隙。 そしてもう台は、寝の井照のカバーの。
カメラの設置を終えた曜、私は通常通り社した。
仕事も、胸の鼓がうるさかった。 何かが起きている。私のらないところで、私のを侵する何かが。
そのは定刻のに退社し、スーパーで買い物を済ませて帰宅した。 玄関のドアには、やはりあの黄い付箋が貼られていた。
「来ましたがお留守でした。お体には気をつけて」
私は何も言わずにそれを剥がし、ポケットに仕った。
修が帰宅し、夕を済ませ、呂に入ったタイミングを見計らい、私は斎にこもってSDカードのデータをパソコンに読み込ませた。
画面に映しされたのは、今の午点過ぎの映像だった。
予通り、鍵を使って静かにドアをけ、入ってきたのは義母の美代子だった。 だが、画面に映ったのは彼女だけではなかった。
分、スーツ姿の修が、自分の鍵を使って帰ってきたのだ。
会社にいるはずの夫が、なぜ平の昼にがにいるのか。
はリビングのソファに腰掛けた。 私はヘッドフォンをにく押し当て、音声のボリュームをげた。ノイズの向こうから、の話し声が鮮に聞こえてくる。
『——で、薬はちゃんと入れ替えたの? おふくろ』
修の声だった。
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いつもの穏やかなトーンではない。どこかたく、淡々とした声。
『ええ、バッチリよ。あのサプリのケース、カプセルのが似てるから全然気づいてないわ。毎ちゃんと粒ずつんでるみたい』
義母がクスクスと笑う。
『理のやつ、最「がい」とか「物忘れが増えた」って言いしてる。効いてる証拠だな。会社でもミスが増えてるらしい』
『当然よ。あれ、りいのメンタルクリニックでしてもらった力な精神定剤と鎮静剤なんだから。毎んでりゃ、そのうち自律神経が狂って、本当に精神病患者みたいになるわよ』
修は満そうに頷き、テーブルのの私の写真を指で弄んだ。
『よし。会社でトラブルを起こして休職に追い込まれたら、次は「うつ病で判断能力がない」って診断を取る。そうすれば、このマンションの売却権限も、全部俺が見として握れる』
『本当、助かるわぁ。修のあの借、あと半で返さないと変なことになるんでしょ? このが千万円で売れれば、発で解決じゃない』
『ああ。理には悪いけど、独代に買ったこのだけが頼りなんだよ。まあ、精神病院に入院させて、活保護でも受けさせればにはしないだろ』
ふたりは、顔を見わせて、底楽しそうに「ふふふ」と笑いった。
カメラのレンズに向かって、修が缶コーヒーを掲げる。
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『じゃあおふくろ、も頼むよ。「留守でした」の、ちゃんと貼っておいてくれな。所のや管理に、「義母が何度も様子を見に来てるのに、嫁が引きこもっててこない」って印象を植え付けるためにもさ』
『分かってるわよ。あの付箋、すごく便利ねぇ』
画面ののは、私の部で、私の買ったソファに座り、私のを破壊する計画を楽しそうに語りっていた。
ヘッドフォンから聞こえるの笑い声が、の奥でグニャグニャと歪んでいく。
私はパソコンの画面をそっと閉じた。
先が震えていた。だが、それは恐怖からではなかった。
激しい、灼のようなり。
(……私のを、私のおを、私のを……)
私は呼吸をし、たくなった自分のをギュッと握りしめた。
彼らは私を「精神を病んだれな被害者」に仕てげるつもりだ。 ならば——私はその「狂気」の台ので、彼らがい描きもしなかった最の脚本を用してあげよう。
私はデスクの引きしから、しい録音と、弁護士の連絡先がかれた名刺を取りした。
反撃の準備は、今始まったばかりだった。
第巻:密の寄者
第章:会話の反芻
画面ので笑いうの姿を、私は何度も、何度も巻き戻して再した。
『理のやつ、最「がい」とか「物忘れが増えた」って言いしてる。
効いてる証拠だな』 『当然よ。力な精神定剤と鎮静剤なんだから……』
ヘッドフォンから流れる修のややかな声と、義母の品のない含み笑い。