"十三足目の黒い靴" 第9話
宗郎は何も言わず、どこか気なものを振り払うかのように、急ぎでドアを閉めた。
カチャリ、とロックがかかる。
私は誰もいなくなった玄関で、静かにち尽くした。
「さあ……追い詰めてあげるわ、宗郎さん」
彼の「完璧な計画」の歯は、もう度と元には戻らない速度で、狂い始めていた。
宗郎が社した、私はリビングのソファーに座り、自分のスマートフォンをにした。
源を入れると、画面の部に表示されたさなアイコンが目に留まる。宗郎が「セキュリティのため」と言ってインストールさせた見守りアプリ。それが実際には、私の通話履歴、メッセージ、GPS報をリアルタイムで監し、特定の話番号からの着信を弾くフィルタリングソフトであることは、昨夜の類で確認済みだった。
試しに、親友の由の番号へ発信ボタンを押してみる。
ツ・ツ・ツ……という無質な切断音が響き、画面には『接続エラー』の表示がた。
(やっぱり……)
宗郎は私に「由ちゃんも忙しいみたいで、連絡が来ないね」と優しく微笑んでいた。だが実際は、部からの連絡をすべて彼の元で遮断し、私を社会に孤させていたのだ。
実の母への連絡も同様だった。母からの着信は宗郎のスマホへ転送され、彼が「美咲は今、発して休んでいます」
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「し緒が定で、話にられる状態ではありません」と嘘をついて断っていたのだろう。
完全に遮断された世界。 だが、宗郎にはつだけ見落としがあった。
私はちがり、クローゼットの奥から古びた革のハンドバッグを取りした。にくなった父の遺品を理した際、そのまましまい込んでいたものだ。
バッグの底のファスナーをけると、そこには充の切れた古いスマートフォンが台入っていた。
結婚、画廊の管理用に使っていたサブ端末だ。宗郎はこの端末のをらない。
私はすぐさま専用の充ケーブルを探しし、コンセントに差し込んだ。数分、画面にかりが点灯する。Wi-Fiの設定をくと、がのルーターのパスワードは宗郎によって変更されていたが、私は父の画廊代から使っていたポータブルWi-Fi器が、まだ契約解除されずに自引き落としできていることをっていた。
回線が繋がった瞬、アプリの通音が連続して鳴り響いた。
メッセージアプリをくと、最のアカウントログから止まっていたがきす。私は真っ先に、父の代から最寺の顧問弁護士を務めてくれている佐々先の直通アドレスへメッセージを作成した。
『佐々先、最寺美咲です。
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非常に緊急の件でご相談があります。宗郎さんには絶対に秘密にしてください。私は今、自宅で監されており、成見の捏造申請がめられています』
に状況をき連ね、昨夜撮した『活観察ログ』の画像と、宗郎が捏造した『診断』、そして13目の靴の納品の写真を添付した。
送信ボタンを押す。送信完の緑のチェックマークがついた瞬、喉の奥に溜まっていた苦しい塊が、わずかに溶けしていくのをじた。
わずか分、画面に佐々先からの返信が届いた。
『美咲さん、無事ですか。……信じられない内容ですが、添付された類の跡と式は本物です。宗郎氏はすでに庭裁判所へ調べをっている形跡があります。ですが、してください。これらの画像証拠があれば、彼の申請を申してで却させることは分に能です』
画面をスクロールする指が震えた。
『ただし、社会に彼を完全に言い逃れできない状態へ追い込むには、もうつ決定な証拠が必です。「彼が図にあなたを病に仕てげ、偽りのをつけた靴を補充していた」という、公な第者の目のでの証です』
公な第者の目のでの証。
私は画面を見つめながら、敵な笑みを漏らした。
(それなら……最の台があるわ)
来週の曜、がではあるな催しが予定されていた。 宗郎が域社会での信頼と「模範な夫」としての位を確するために画策した、自治会役員と双方の親族を招いての「築周と示范庭表彰の祝賀会」