"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第5話
私は探りでそのテープを剥がした。
てきたのは、黒いさなICレコーダーだった。
それはまるで誰かに見つかるのを恐れるかのように、巧みに隠されていた。
なぜゆみの鏡台の裏に、こんなものが隠されているのか。
私は震えるで、そのレコーダーの再ボタンを押した。
スピーカーから流れたのは、いもよらない物のりに満ちた酷な声だった。
「いい加減にしなさいよ、ゆみ!」
静まり返った寝に響き渡ったのは、違いなくゆみの母親である田幸子の声だった。
「あんた誰のおかげで今の活があるとっているの?」
私は息を呑み、ICレコーダーを握りしめたまま、そのに釘付けになった。
スピーカーからは、さらにゆみの震える声が続く。
「でもお母さん、これ以は無理です。健さんののボーナスまで渡してしまったら、子供たちの学費が……」
幸子の鳴り声がそれを遮った。
「うるさいわね!あんたをここまで育ててやった恩を忘れたの!?」
幸子の罵倒は止まらない。
「健さんみたいなの男と結婚させてやったのは私よ!」
幸子はさらに見すように言った。
「佐藤ののあの婆さんだって、おなんて持っていないでしょう。私の老の面倒はあんたたちが見るのが当たりじゃないの!」
幸子の声はさらに酷になった。
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「くこのの鍵を渡しなさい。私が々来て、掃除がてらの管理をしてあげるから」
ゆみの泣きそうな声が響く。
「お義母さんのことをそんなに言わないでください!」
ゆみは必に抵抗していた。
「鍵はダメです!これ以私たちの活を壊さないで!」
音声はそこでプツリと途切れていた。
私はボロボロと涙をこぼしていた。
それは恐怖からではない。
ゆみに対するい申し訳なさと、胸が張り裂けそうなほどのしみだった。
ゆみはるくて優しい自の嫁だった。
私に会うはいつも笑顔を見せてくれた。
「お義母さん、これ美しいからべてくださいね」
ゆみは笑顔でお産を渡してくれた。
健のこともからしてくれて、3の子供たちを本当に切に育てていた。
そんな彼女が、実の母親からこんなひどい仕打ちを受けていたなんて。
おを無され、脅され、鍵まで求されていたのだ。
健に配をかけまいとして1で全てを抱え込み、万がのためにこのICレコーダーを鏡台の裏に隠していたのだろう。
どれほど孤独で恐ろしかったことか。
私は割れた鏡台に向かってくをげた。
「ゆみさん、気づいてあげられなくて、本当にごめんなさいね」
しみはやがて静かでいりへと変わっていった。
このを荒らした犯は、見ずらずの棒などではない。
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田幸子だ。
彼女はゆみから無理やり奪い取った鍵を使って、誰もいない息子夫婦のにがり込んだのだ。
そして、現ではなく健の命保険の証やこのの権利、そして預通帳を血になって探したのに違いない。
だから、や宝といったがつくような目のものには目もくれなかったのだ。
そういえば、い当たる節はいくつもあった。
2週にわれた、49の法でのことだ。
親族が静かに故を偲ぶ、幸子はやたらとソワソワしていた。
そして私がお茶を入れるために台所へった、背からすり寄るようにづいてきた。
幸子は声を潜めてこう聞いてきたのだ。
「子さん、健さんたちの命保険のことなんですけどね」
幸子は私の顔を覗き込んだ。
「あの子たち、どこの保険会社に入っていたかごですか?」
幸子はもっともらしい理由をつけた。
「ほら、子供たちの今のためにもく続きをしないといけないでしょう。私が保険さんに掛けってあげますから」
幸子はを差しした。
「証があったら渡してくださいな」
そのの私は、申し訳なさそうに答えた。
「まだの理もできていないので、何もわかりません」
すると幸子は、あからさまに嫌な顔になった。
幸子は焦ったように言った。
「の鍵はまだ警察が持っているんですが、くに入って確認しないと!」
幸子は執拗に鍵のありかを探ってきたのだ。