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"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第7話

15回、20回。

まるでこちらの様子をうかがい、絶対に話にるまで鳴らし続けるという執じられるようなな響きだった。

私は直を美穂に任せ、階段をりて居へと向かった。

さな画面には、見慣れた番号が表示されていた。

田幸子の携帯話の番号だった。

ジリリリリリリリ。

古い固定話の無質な着信音が、静まり返った居に響き渡っていた。

ナンバーディスプレイに表示されている「田幸子」という文字が、まるで獲物を狙う蛇の目のように見えた。

2階の部を塞ぎ、ガタガタと震えている直の姿がをよぎる。

は、この話の主がどれほど恐ろしいかをっているのだ。

私はく息を吸い込み、を落ち着かせてから受話器を取った。

「はい、佐藤でございます」

受話器の向こうから、るい声が聞こえてきた。

「ああ、子さん。やっとてくれましたね。もう何度もお話したんですよ」

幸子の声は、やけにく作られていた。

「私です、ゆみの母の幸子です」

その裏と表が激しく入り混じった声に、私は背筋が泡つような嫌悪を覚えた。

私はたく答えた。

「申し訳ありません、せなかったものですから。何かご用でしょうか?」

幸子は笑いながら言った。

「ご用だなんて、臭いこと言わないでくださいな」

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幸子は猫撫で声をした。

「孫たちの声が聞きたくて話したんですよ。直君はいますか?ちょっと代わってちょうだい」

幸子の言葉には、見すると祖母としてのがあるように聞こえる。

しかしその奥には、確な探りの図が隠されていた。

私はきっぱりと断った。

「直は今、し疲れて眠ってしまっています」

私は理由を付け加えた。

「学のこともあって、まだともに負担がきいようですから」

私がそう答えると、話の空気が瞬にしてたくなったのが分かった。

幸子は嫌そうに言った。

「そうですか。まあ、仕方ないですね」

幸子はすぐに本題に入った。

「ところで子さん、あの件……」

私はとぼけて見せた。

「あの件とは?」

幸子は苛ったように答えた。

「決まってるじゃないですか。健さんたちのの鍵ですよ。警察からもう返ってきたんでしょう」

幸子はもっともらしい理由を並べた。

に入って、ゆみの遺品を理してあげないと。あの子の切にしていた着物や宝、それに事な類なんかもあるはずですから」

やはり、目はそれだったのだ。

私は先ほどまでっていた、あの無残に荒らされたリビングの景をした。

私は静かにりを燃やしながら言葉を返した。

「実は今、弁護士のから鍵を受け取りまして、の様子を見てきたんです」

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「えっ!」

幸子が息を呑む音がはっきりと聞こえた。

私は淡々と状況を説した。

「それが、がひどく荒らされていましてね」

私はわざとげさに言った。

「空き巣にでも入られたのか、タンスや引きしが全部けられて、のものがに散乱していました」

私がそう告げると、幸子はらかに揺し、になった。

「あ、空き巣!?嫌だわ。け、警察には……警察には連絡したんですか?」

私は静に答えた。

「いえ、まだです」

私は幸子を追い詰めるように言葉を継いだ。

議なことに、ゆみさんの宝や、現になりそうなつかずだったんです」

私は幸子の反応を待った。

棒なら真っ先にそういうものを盗むはずなのに。まるで、特定の類だけを必に探したような荒らされ方でしたから」

幸子は震える声で言い訳をした。

「そ、そんなの、ただの素棒だから見落としただけじゃないですか」

幸子は急に調になった。

子さん、呑気なこと言ってないで。通帳や保険の証が無事かどうか、ちゃんと確認したんですか?」

私はたく言い放った。

「通帳や証は見当たりませんでした」

私がそう言うと、幸子はチッとさく、しかしはっきりとした舌打ちをした。

孫の配など微もない。

彼女のにあるのは、目の類の方だけなのだ。

幸子は私を蔑むように言った。

子さん、やっぱりあなたじゃ頼りにならないわ。

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