"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第21話
幸子は審そうな顔をした。
「はあ?何が残だって言うのよ。負け惜しみはおやめなさい」
私はテーブルのに置かれた自分のお茶をすすり、ゆっくりとをいた。
私は静かに真実を告げた。
「実は今朝、弁護士から連絡があったんです。その5000万円の命保険ですが、保険会社からあなたには1円たりとも支払われないことが確定したそうですよ」
幸子の顔が完全に直した。
「い、支払われない!?なんでよ!類はちゃんとしたのに、続きは終わってるはずよ!」
私はゆっくりとちがり、幸子の怯えた目をまっすぐに見据えて静かに告げた。
「なぜか教えてあげましょうか。あなたの娘であるゆみさんが命がけで残してくれたあるものが、あなたの悪事を全て暴いてくれたからです」
その、のでキキッというのブレーキ音が鳴り響き、複数の音が玄関へとづいてくる気配がした。
玄関の方から、落ち着いた、しかし力い男性の声が聞こえてきた。
「失礼いたします。し遅くなりましたね、佐藤さん」
居の襖が静かにき、スーツ姿の弁護士が姿を現した。
彼の背には、がっちりとした体格の若い男性スタッフがもう1控えていた。
私がくをげた。
「先、お休みのにわざわざ申し訳ありません」
弁護士は「とんでもない」
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と優しく微笑んだ。
そして、ソファにふんぞり返っている3の招かれざる客へと、その鋭い線を向けた。
弁護士は幸子を見た。
「あなたが田幸子さんですね。私は佐藤子さんの代理を務めております、弁護士のと申します」
弁護士はの方を見た。
「やあ先ではありませんか。こんなところでお会いするとは奇遇ですね」
弁護士がわざとらしくそう言うと、はまるで幽霊でも見たかのように顔を引きつらせた。
「な、先……なぜあなたがこの老婆の代理を……」
弁護士はたく答えた。
「健は私の学代からの無の親友でしたからね。彼の族を守るのは私の当然の義務です」
弁護士はを非難した。
「それより先、先ほど随分と面い冗談を言っておられたようですね。民法第975条もごないとは、弁護士バッジが泣いていますよ」
弁護士のややかな言葉に、は顔を真っ赤にして黙り込んだ。
同じ弁護士でも、正義に溢れる弁護士と、裏社会のとつるんで銭を稼ぐとでは、その格と気迫がまるで違っていた。
状況が理解できていない幸子が、ヒステリックな声をげた。
「ちょっと何なのよこの男!弁護士が2いようが関係ないわよ!」
幸子はまだ保険に固執していた。
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「さっきも言ったでしょう!5000万円の保険は私のところに入るの。保険の受取を私にするって、ゆみが自分で類をいてポストに入れたんだから」
幸子は自分に残された最の切り札である『5000万円』という言葉にしがみつくようにまくしてた。
「保険会社だって類が本物だって認めて続きをめていたわよ!」
しかし弁護士は、鞄から分いファイルを取りし、テーブルのにドンと置いた。
弁護士は徹に言い放った。
「田幸子さん、残ですが、保険会社からの支払いは昨の夕方の点で完全にストップしました。あなたが受け取るおは1円もありません」
幸子は目を見いた。
「な、ストップ!?なんでよ、どうしてそんなことができるのよ!」
弁護士は証拠を提示した。
「簡単なことです。あなたが保険会社に送りつけたその類が偽造されたものであるという決定な証拠、私たちが提したからです」
弁護士の言葉に、幸子の顔からさっと血の気が引いた。
幸子は震えながら否定した。
「偽造……バカなこと言わないでよ!ゆみの字だったわよ!実印だってちゃんとしてあったんだから!」
弁護士は静に反論した。
「娘の字を真似てき、娘のから盗みした実印を押したのですから、見すれば本物に見えるでしょう。
消印が事故当の朝だったこともあり、保険会社も最初は騙されかけました」
弁護士はファイルから古い学ノートを取りした。