"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第24話
2階の部には、3の孫たちが息を潜めて隠れているはずだ。
あの子たちにこれ以恐ろしい声を聞かせるわけにはいかない。
弁護士が背に控えていたスタッフの青に向かって、静かに顎で図をした。
弁護士は静かに命じた。
「けてあげなさい。ご所迷惑になりますから」
青は落ち着いた取りで玄関に向かい、チャリと鍵をけた。
「遅えんだよ!」
ドアがくや、のまま引にがり込んできた男が、居へと踏み込んできた。
その男を見て、私はわず息を呑んだ。
齢は50代半ばほど。恰幅が良く、仕ての良さそうな価なスーツを着ているが、その着こなしはどこか品だった。
首元には太いのネックレスがり、く刈り込んだ髪とギョロりとした威圧な目は、まともな企業のには到底見えない。
あれが健の元司であり、この恐ろしい計画の黒幕である、浩司だった。
隆がソファから転げ落ちるようににいつくばり、両をついて座をした。
「た、社……すいません、今けようと……」
は酷な声でそう言うと、座している隆の肩を革靴の先端で容赦なく蹴りばした。
「ふざけんな!隆、今の昼までに権利と実印を持って来いって言ったよな!逃げられるとでもってんのか!」
「ぐわあッ!」
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隆がに転がり、うめき声をげる。
幸子はヒッとく息を吸い込み、部の隅へとずさりした。
隆は痛みに顔を歪めながら、必で言い訳を並べてた。
「ま、待ってください!話が違ったんです!このババアが、健の母親が権利を隠し持って……遺言も通用しなくて……」
は舌打ちをし、忌々しそうに幸子を睨みつけた。
「ああ?おの母親がババアを丸め込んで、ハンコと通帳を奪うはずだったろうが。使えねえ奴らだな」
幸子は実の息子である隆を見捨てるような言葉を平然とにした。
「わ、私は関係ありません!このバカ息子が勝に借を作っただけで、私はただ娘の遺産を理しようとしただけで……」
隆は激して言い返した。
「母ちゃんふざけんな!俺の名で借して、あんたも緒に豪遊してただろうが!」
幸子もヒステリックに叫んだ。
「何言ってんのよ!あんたがギャンブルで作った借じゃない!」
親族会議という名の、あまりにも醜い修羅だった。
のためなら平気で嘘をつき、娘の命の値段を計算し、いざとなれば内を売る。
ゆみはこんな恐ろしい族から逃げすために、どれほど孤独な戦いを続けていたのだろうか。
健はゆみをこの沼から救いすために、どれほどを砕いていたのだろうか。
そううと、私の胸の奥で静かだけれど、決して消えることのないいりの炎が燃えがった。
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は醜く言い争う田親子から線をし、部の奥に座っている私へと目を向けた。
はまるでゴミでも見るような劣な笑みを浮かべ、私を見ろした。
「あんたが健の母親か」
は憎々しげに言った。
「いやぁ、息子さんには昔随分と世話になったもんでね。俺のちょっとした横領をチクりやがって、会社から追いしてくれた正義の方様だ」
は残酷な言葉を吐き捨てた。
「まさか、あんなにあっさり事故でぬとはな。きっとのみを買った罰がったんだよ。いい気だぜ」
その言葉を聞いた瞬、私のので何かがプツリと切れた。
私はゆっくりとちがり、の目をまっすぐに見据えた。
膝の震えはもう全くなかった。
私のく静かな声が居に響いた。
「取り消しなさい」
が馬鹿にしたように眉をひそめた。
「あぁ?」
私ははっきりとした声で反論した。
「健は、罰など受けるような子ではありません。族をからし、いを守るために誰よりも真面目に誠実にきた子です」
私はを軽蔑して言った。
「自分の欲のためにを騙し、おを巻きげるようなあなたとは、の価値が違う」
の顔から笑みが消え、額に青筋が浮かんだ。
「なんだとババア……」
彼が歩私に向かって踏み込みながらづこうとしたそのだった。
弁護士が私を庇うようにすっとにた。