"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第28話
彼らは瞬で居になだれ込むと、逃げようとしたの腕を両側からねじげた。
は暴れた。
「痛え!せ!俺は何もやってねえぞ!」
私警官の1が、の目のに逮捕状を突きつけた。
「往際が悪いぞ、!貸業法違反及び恐の容疑で逮捕状がている!裏帳簿もすでに押収済みだ。署でたっぷり話を聞かせてもらうからな!」
先ほどまでヤクザのように凄んでは私を脅していた男の顔は、今や恐怖と絶望で見るもなく歪んでいた。
無様な叫び声をあげながら、は錠をかけられ、あっというにのパトカーへと引きずりされていった。
「せ!弁護士を呼べ!俺は騙されたんだ!」
その部始終を部の隅で見ていた田親子の顔は、文字通りのように真っになっていた。
彼らはガタガタと震えながら互いにを寄せい、ただ呆然とち尽くしている。
そこへ、別の2の警察官が静かに歩み寄ってきた。
「田幸子さん、そして息子の隆さんですね」
名を呼ばれた瞬、幸子はヒッとい鳴をあげ、そのにへたり込んだ。
隆は両でを抱え、壊れたおもちゃのようにつぶやいている。
「俺じゃない、俺じゃない……」
警察官のたく事務な声が居に響いた。
「あなた方には、印私文偽造及び詐欺未遂の容疑がかかっています。
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命保険会社への偽造類の提、そして娘さんへの恐為について、同願いますか」
それは、彼らの悪事が完全にのに晒され、言い逃れができない状況であることをしていた。
幸子は見え透いた嘘をついて逃れようとした。
「あ、待ってください!違います!私は娘の保険の続きを伝っただけで、娘が自分でいたんです!」
警察官の軽蔑を含んだ言葉に、幸子はついに言葉を失った。
「跡鑑定にせばすぐに分かることです。それに、娘さんが残された記と録音データもすでに確認しています。実の娘を脅し、命の保険を騙し取ろうとするとは、同じ親として信じられないですよ」
すると、隣で震えていた隆が突然狂ったように母親の肩を突きばした。
「全部このババアがやったんだ!俺は何もらない!保険で借を返すって言いしたのもこいつだ!」
隆は警察官にすがりついた。
「警察の皆さん、俺は被害者なんです!こいつを捕まえてください!」
実の母親をババアと呼び、全ての罪をなすりつけて自分だけ助かろうとする、30過ぎの男のあまりにも見苦しい姿。
突きばされた幸子は、信じられないものを見るような目で隆を見つめ、やがて顔を真っ赤にして彼に掴みかかった。
「隆!あんたなんてこと言うのよ!あんたがギャンブルで1000万も借なんか作るから、私が仕方なくゆみにおを……」
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隆は言い返した。
「うるせえ!おが甘やかすからこうなったんだろうが!」
警察官たちので、醜い取っ組みいの喧嘩を始める親子。
おという絆だけで繋がっていた族が、そのおを失った瞬にあっさりと崩壊していく。
その姿はあまりにも滑稽で、そしてどこまでもれだった。
警察官がし、2を引に引きした。
「やめなさい!署で全部聞くから!」
錠を取りされ、いよいよ自分たちが逮捕されるのだと悟った幸子は、突然私の方へと向き直り、をうようにして私の元にすがりついてきた。
幸子の顔は涙とでぐちゃぐちゃになり、プライドも世体も全て投げ捨てて、私の首を必に掴んでいた。
「お、子お義母さん!子さんお願い、警察に言ってください!これはただの親族のき違いだって!私たち族じゃないですか!」
幸子は必に懇願した。
「お願いです、刑務所になんか入りたくない!あ、そうだわ!直たち、孫たちには私みたいな若いおばあちゃんが必でしょう!?私これからはを入れ替えてあの子たちをがりますから!だからどうか見逃して……」
私は首にすがりつく幸子を、え切った見ろすように見つめた。
りや憎しみすらもう湧いてこなかった。
ただ、い徒労とゆみに対する申し訳なさだけが胸を占めていた。
私は決して声を荒げず、静かで、しかし氷のようにたい声でをいた。