"五千万円の保険金を狙った実母と十三歳の孫のリュック" 第31話
には3枚の便箋と、1冊のしい預通帳が入っていた。
便箋をくと、そこには健とゆみの2の字が交互に綴られていた。
健の器用で真っ直ぐな言葉だった。
『母さんへ。このを読んでいるということは、俺たちのに何かが起きて、母さんに番辛いいをさせてしまっているだといます。本当にごめんなさい。俺はという男の正を調べていました。ゆみの母親のことも、これ以ゆみを苦しめるなら法な段にるつもりで準備をしていました。でも、もし俺が失敗して母さんに子供たちを託すことになってしまったら、また母さんに苦労ばかりのを歩ませてしまう。それが何よりも申し訳ないです』
私は首を横に振った。
苦労だなんて、1度もったことはないのに。
続いて、ゆみの字に変わっていた。
『子お義母さん。私を本当の娘のようにがってくれて、ありがとうございました。実の母親からおの無をされ脅されていた、お義母さんに相談できずに隠してしまってごめんなさい。これ以、優しいお義母さんに迷惑をかけたくなかったんです。お義母さんの入れてくれるお茶が、私ので番らぐでした』
涙で文字が滲んで、が見えなくなった。
「ゆみさん、あなたこそ私にとって世界で番くて、自の娘だったわよ」
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の最は、健の字でこう締めくくられていた。
『お母さん、緒に同封した通帳を見てください。子供たちの学費や活費は、俺の命保険と別の座に残してあります。でもこの通帳のおだけは、絶対に子供たちのためではなく、母さん自のために使ってください。35、親父がんでから、母さんは自分の1枚買わず、旅にもかず、ただ俺を育てるためだけに若さとを犠牲にしてくれました。だからこれは、俺とゆみからの、母さんへの恩返しです。俺たちに何かあっても絶対に自分を責めないで、母さんのを笑ってきてください。今まで育ててくれて本当にありがとう』
私は震えるで、に同封されていた通帳をいた。
そこには『300万円』という額が記されていた。
毎しずつ、何もかけて貯められたそのお。
ゆみが実の母親からおを無され、苦しい計をやりくりするでも、2が『子お母さんのために』と決してをつけずに守り抜いてくれたの結晶だった。
「ああ、健、ゆみさん……ありがとう。ありがとうね」
私は通帳とを抱きしめ、子供たちと緒に声をあげて泣いた。
遺産や保険なんかじゃない。
息子夫婦が残してくれた本当の財産は、このいと、私への謝のいだったのだ。
どんな悪党にも、おに目がくらんだたちにも絶対に奪うことのできない、世界で番尊い宝物。
弁護士は私たちが泣き止むまで、静かに窓のを見つめながら待っていてくれた。
やがて直が涙を拭い、私に尋ねた。
「おばあちゃん、僕たちこれからどうするの?」
美穂と陸も、真っ赤な目で私を見げている。
私はちがり、散らかったリビングをぐるりと見渡した。
そしてを胸にしまったまま、あるきな決断をにした。
「この、放すことにするわ」
直が驚いたように目を丸くして私を見つめた。
「このを放す……?」
美穂も陸も議そうな顔をしている。
私は健とゆみが残してくれたを胸に抱いたまま、ゆっくりとく頷いた。
「ええ、ここはパパとママが懸命働いて、あなたたちのために買った切なよ。