"3年の介護と兄のタワマン頭金" 第15話
事に支払っていた申込と付、わせて百万円は契約の条項通り全額没収された。
さらに、健の妻の恵理は、義母を勝に連れてきて同居させようとした健の独断を許さず、子どもを連れて神奈川の実へ戻ったまま、別居状態が続いているという。練馬のマンションの賃貸契約の更を控え、健はでを抱えているらしかった。
に入り、実の処理は淡々とんだ。
私が紹介した元の齢な司法士がに入り、論の切入らない事務な続きがわれた。 都リアルティの佐々氏が仲介に入っていた買い――元の務に対して、実のと建物は千百万円で売却されることが決まった。
古の解体費用と仲介数料、諸税を差し引いた純取り額は、約千百万円。
遺産分割協議の席は、島役所くの司法士事務所の簡素な会議で持たれた。 私、健、母のが顔をわせたが、交わされた言葉は事務な確認事項だけだった。
司法士が作成した協議には、私の求がそのまま盛り込まれていた。
全体の売却代千百万円から、まず私が過で支払った実の維持修繕費、固定資産税、母の医療費のて替え分である百万円が、私の個座へ全額優先弁済される。
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残った千百万円を、法定相続分に従って分割する。 母の取り分が分ので、百万円。 健の取り分が分ので、百万千円。 私の取り分が分ので、百万千円。
結果として、私の元にはて替えの返還を含めて約百万円が残り、健がにしたのは百万円あまりだった。タワマンの付として失った百万円を考えれば、健の懐にはほとんど何も残らなかった計算になる。
「……以で、全員のご異論はございませんか」
老司法士が鏡の奥からを見回した。
健はやつれた顔で、無言のまま実印を押した。そのは微かに震えていたが、もう暴言を吐く気力すら残っていなようだった。続きが終わると、健は私や母に度も線をわせることなく、逃げるように事務所をて、京きの幹線へ向かった。
母は、押しされた類に震えるで判を押した。
「……麻子」
事務所のの歩で、母が歩器にすがりつきながら私を呼んだ。
「これ……私の通帳に、百万円入るのね?」
「そうだよ。お父さんが残してくれたおだよ。お母さんのとわせれば、贅沢をしなければこの先数は困らない」
「そう……」
母は俯いた。その声には何の覇気もなかった。
「実、来には取り壊されるんでしょう。
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私、どこへけばいいのかしら……」
私は鞄から、通のパンフレットを取りして母に渡した。 島駅からで分ほどの所にある、サービス付き齢者向け宅の資料だった。
「ここ、ケアマネジャーさんと相談して見学してきた。バリアフリーで、各部にナースコールもついてる。堂でるし、今のの状態でもして暮らせるよ。お母さんの通帳から賃を自引き落としにすれば、分に払っていける」
母はパンフレットの写真を、おずおずと指で撫でた。
「……麻子、緒にんでくれないの?」
「まないよ」
私は即座に、しかし穏やかに答えた。
「私の部は、ここから自転で分のところにあるから。続きの類の保証にはなったし、に度くらいは様子を見に来る。でも、同居はしない。お母さんはお母さんの活を、私は私の活をきるの」
母は唇を噛み締め、何かを言いかけようとした。 以ならここで鳴るか、泣き喚いて罪悪を植え付けようとしただろう。だが、母は数秒の沈黙の、さく息を吐きして、ただ々しく頷いた。
「……そうね。あんたに、頼りすぎてたのね」
その言葉が本からの反省なのか、単に孤したことによる妥協なのかは分からなかった。そして、それを確かめようともわなかった。 事なのは、母がどううかではなく、私がこれ以自分のを差しさないと決めたことだった。
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旬。