"7歳の孫に大人用包丁を握らせた姑の末路" 第10話
踏は義母の言葉を完全に無し、たい声で宣言した。
「母さん、入るよ」
踏はそう言うと、義母を押し退けるようにしてへとがり込んだ。
私も踏のに続き、靴を脱いで廊にがった。
義母は慌てて私たちのを追いかけながら叫んだ。
「ちょ、ちょっとなんなのよ、いきなり」
義母は狼狽し、しきりに文句を言っていた。
しかし、私は義母の言葉に構わず、ズンズンとむ踏の背を追いかけた。
私たちが真っ先に向かった先は、義実のキッチンだった。
私は義実のキッチンのに入るのは、今が初めてだった。
私はを踏み入れた瞬、目のに広がる景に息をんだ。
そこはお世辞にも理頓されているとは言えない、ひどい様だった。
シンクのには、いつ使ったのか分からない量の洗い物がのように積まれている。
調理台のには、お玉やフライ返しなどの調理器具が乱雑に散らかっていた。
私は周囲を見渡し、調料の棚に目を向けた。
そこには、塩と砂糖と醤油の容器しか置かれていないようだ。
私はその異常な景に驚き、踏の顔を見つめた。
踏はキッチンを見回しながら、ため息をついて私に衝撃の事実を語った。
「母さんは昔から料理がなんだ」
踏は呆れたように肩をすくめた。
「その自覚は全くないみたいだけど」
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私は踏の言葉を聞いて、信じられないいで目を丸くした。
「え……?」
私が言葉を失ってち尽くしていると、ろから義母が駆け込んできた。
義母は私たちを追いすようにを振り回し、わめきした。
「ちょっと、勝にキッチンに入らないでよ!」
踏は義母の抗議を完全に無し、私に向かって話を続けた。
「母さんはレシピを信用しないで、自分流に作るタイプなんだ」
踏は過の記憶をいしながら、苦々しい顔で説した。
「基本に、母さんが作るものは全部美しくなかった」
踏は調料の棚を指差した。
「塩と砂糖と醤油があれば、なんとかなるとっているんだ」
踏は呆れたように首を振った。
「見はしているらしいけど、痴なんだろうな」
踏は義母の方を鋭く睨みつけ、言葉をくした。
「それなのに、自分は料理がだとい込んでいるから恐ろしいよ」
踏はため息をつき、過の苦労を語った。
「俺や父さんから散々文句を言われても、切聞くを持たなかったんだ」
私は踏の話を聞きながら、過の来事をい返していた。
私は結婚してからこれまで、度も義母の料理をべたことがなかった。
義母の料理の腕について、私は全くらなかったのだ。
義実でご飯をべる、私たちはいつもどうしていたかをいした。
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い返せば、基本にデリバリーを頼むか、にかけていたからだ。
しかし、記憶を辿ってみると、ある自然な点に気がついた。
いつも踏が率先してを提案し、うまく義母の料理をべないで済むような流れに持っていっていたのだ。
私は全ての辻褄がい、激しいりがこみげてくるのをじた。
義母は料理が絶望になくせに、に無理やり料理を教えていたというのか。
私は義母の傲な態度をいし、ますますりが湧いた。
義母は顔を真っ赤にして、踏に向かって鳴った。
「踏、勝なことばかり言わないでちょうだい!」
義母が必に抗議するが、踏は相変わらず義母を無し続けた。
踏はキッチンの汚れを見回し、忌々しそうに呟いた。
「相変わらず汚いキッチンだな」
踏はそうつぶやきながら、無慮に蔵庫の扉をけた。
私は踏の横から、蔵庫のを覗き込んだ。
蔵庫のには、料理をするためのまともな材が満に入っていなかった。
しかし、私の目に信じられないものがび込んできた。
野菜のトレイのに、品のキュウリが何本も量に用されていたのだ。
私はそのキュウリのを見つめながら、数の病での来事をので振り返った。
が倒れたのことである。
病院の廊で義母との話を終えた、私と踏は病へと戻った。
もなくして、ベッドのでがゆっくりと目を覚ましたのだ。