"妻を崖から突き落とした義家族と300億円の婿" 第27話
この当たりの常こそが、私たちが血を流して勝ち取った、何よりも尊い宝なのだ。
私たちの自宅のリビングには、今でもあの古びた宝くじの箱が切に保管されている。
汚れて傷だらけのプラスチックの箱。
綺麗に磨きげられ、ガラスの飾り棚のにひっそりと置かれている。
かつては義族の支配から逃れるため、ゆいがを隠すための惨めな具に過ぎなかった。
それが彼女を社会の底辺に縛り付けるための、くたい鎖であったことは違いない。
しかし彼女は、その箱の底に真実を暴く決定な証拠を縫い付けた。
自らの命と引き換えにして守り抜いた。
結果としてあの箱は、悪徳族の隠された罪を全て世に引きずりした。
彼らのを全てれくじにして刑務所へと突き落とす、最のパンドラの箱となったのだ。
箱のに最に残されていたのは、絶望や恐怖ではない。
私たちが取り戻した本当の族の絆と、るい未来への切符だった。
私はあの箱を見るたびに、自らの力を正しく使い、する者を守り抜くという覚悟をたにするのだ。
「誠君」
ふいにゆいが、私のに自分のをそっとねてきた。
彼女のはとても温かい。
きているという確かな脈がまっすぐに伝わってくる。
「あの、あの寂れたの駅で私を見つけてくれて、本当にありがとう」
広告
ゆいの瞳には、桜の漏れが優しく反射していた。
「あなたが私を見つけして、全てを終わらせてくれたから、私は今ここで笑っていられるの」
私はゆいのを壊れないように、それでも決してさないように、く優しく握り返した。
「俺の方こそ、きていてくれてありがとう」
私の声は、の穏やかなに溶け込むように静かだった。
「君があの獄ので希望を捨てずにいてくれたから、俺はもう1度きるを取り戻せたんだ。もう2度と、君のはさない」
私の言葉に、ゆいは嬉しそうに目を細めた。
静かに頷いた。
「パパ!ママ!こっちに来て!おが綺麗だよ!」
しれた所から、あんなが私たちに向かってきくを振っている。
私たちは顔を見わせた。
微笑み、あんなの待つのへと歩きした。
歩幅はゆっくりだ。
だが、その歩歩には誰にも奪うことのできない、確かなみと自由があった。
かつて私が自分の本性を隠し、ただ波をてまいと黙って耐えていた々は完全に終わった。
理尽な悪やの尊厳を踏みにじる力に対しては、決して目を逸らさない。
自らの持てる全ての力を使ってち向かう。
それが夫として、父親として、私がに入れた決して揺らぐことのない矜持だ。
たく暗い孤独の記憶は、のに吹かれて完全に過のものとなった。
もはや私たちのを塞ぐ暗は、どこにもしない。
私たちの目のには、無償のとい絆で結ばれた、誰にも壊すことのできない輝く未来だけが果てしなく広がっていた。
血の繋がりを盾にして欲望を貪り、するものを切り捨てる悪魔。
真実の絆と、隠された絶対な力がきした瞬、全てを失い絶望の底へ落ちる。
私は守るべきもののために、自らの力と誇りを信じた。
たなのを、堂々と歩み続ける。