"4回の救急着信と1ヶ月後の離婚宣告" 第4話
「吸引血予よりいです。田辺さん、そこ抑えて」
「はい」
「血圧58、追加輸血準備できています。入れて」
器具が触れう音が続いた。私にはもう痛みはなかった。麻酔が切れたのか識そのものがざかったのか分からない。ただ尚弥の写真だけがまだに残っていた。青い、いシャツ、さやの肩、尚弥の横顔、そして自分が送った5文字。お幸せに。あれでよかった。もう説しなくていい。もうどちらが事なのか聞かなくていい。答えは何度も見てきた。
「血1箇所確認」
の声がんだ。
「ここ吸引続けて」
田辺が器具を渡す。
「はい。血圧56、輸血2単位入ってます。反応はまだいです」
はを止めなかった。
「もう1箇所探す」
数分、モニターの音の隔が変わった。森川がすぐに数字を読んだ。
「拍48、がります」
「昇圧剤追加」
「はい」
「体温は34.9度、加温続けて」
誰もきな声では話さなかった。必な言葉だけが続いた。
「先、側も1箇所あります」
田辺の声がした。
「見えた。そこだ」
吸引の音がくなった。
「監」
「はい。血圧は」
しばらくしてがく言った。
「よし、止まる。もう1回」
森川が画面を見た。
「58がります」
「60まで待つ。輸血続けて」
術のでは私が尚弥の話を待つ理由はもう何もなかった。彼がてもなくてもたちは同じようにをかしていた。
「血圧、反応いです」
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「昇圧剤まだ止まってない。続ける」
の声は変わらなかった。
「拍、落ちます」
森川の声がしくなる。
「52、輸血追加」
「はい」
「ここ縛ります。田辺さん」
「はい。もう1箇所あります」
言葉がくなる。誰かが私の名を呼んだ。私は返事をしなかった。もう1度モニター音が鳴った。そのは何も分からなくなった。
同じ刻、シンガポールのセントーサホテルでは黒川尚弥がワイングラスをテーブルに置いていた。窓の向こうにはが見えた。さやは鏡のでピアスをしていた。
「なおや、さっきからスマホ鳴ってない」
「鳴ってる」
尚弥はシャツの袖をまくりながら答えた。
「ないの」
「らない番号だ」
スマートフォンがまた震えた。本の番号だった。さっきから何度もかかってきている。さやが鏡越しに見た。
「仕事じゃないの」
「このに俺の個番号へ直接かける取引先はいない」
「じゃあ誰」
尚弥は答えなかった。数、妻と喧嘩したばかりだった。あいつならやりかねない。自分の番号ではないとって別の話を使っているのかもしれない。そう考えた。着信が続く。尚弥は画面を見て指で切った。さやが振り返った。
「切るんだ」
「用があるならメッセージを入れるだろう」
「みおさんだったら……」
「だったら余計にない」
さやはし目を丸くした、さく笑った。
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「尚弥ってそういうところだよね。放っておけばいい」
「でも私のせいで喧嘩したんでしょう」
「おのせいじゃない」
「本当にいいの」
さやはベッドの端に座った。さっきまで着ていたカーディガンをし、隣に置く。
「私が体調崩さなかったら今回の旅もなかったよ」
「関係ない」
「みおさん結構ってたんじゃない」
「いつものことだ」
「いつも?」
「自分が納得できないと黙ってこっちに考えさせようとする」
実際には逆だった。喧嘩の黙るのはいつも尚弥の方だった。みおが先に声をかけるまで尚弥は放っておいた。それを彼自は問題だとっていなかった。さやは柔らかく笑った。
「でも最はみおさんから話すんでしょう」
「そうだな」
「じゃあ今も待ってればいいんじゃない」
「そのつもりだ」
さやはしばらく黙った。それからし慮するように言った。
「私やっぱり悪かったかな」
「何が」
「奥さんがいるにまで付き添ってって頼んだこと」
「俺が決めたことだ」
「でもみおさんからしたら面くないよね」
「だから緒に来ればいいと言った」
「それはそれで嫌じゃない?」
尚弥が眉を寄せた。
「何が言いたい」
「別に、私は3でも良かったよ」
さやの声はあくまで柔らかかった。
「でもみおさん、私と緒に来たくなかったんでしょう?」
「さや、ごめん。またらせた」
さやは元だけ笑った。
尚弥はその笑い方に気づかなかった。彼のでは問題は単純だった。みおが気に入らない。だからっている。数すれば落ち着く。