"4回の救急着信と1ヶ月後の離婚宣告" 第10話
到着ロビーをたところで川がってきた。
「社、用してあります。病院へ」
川はさやを見た。「さんも……」
尚弥が先に歩いた。「乗せろ」
それ以説しなかった。がりす。尚弥は部座席で病院へ話した。代表から救命センターへ繋がった。本確認の、担当者が言った。
「黒川みおさんのご族ですか?」
「夫です」
「担当からご説しますので、到着、救命受付にお越しください」
「今どうなってる?」
「話では詳しい説ができません」
「識は?」
「担当からご説します」
「きてるんだな?」
拍置いて相が答えた。
「現治療です」
それだけだった。尚弥は話を切った。自分が社だと名乗っても相の答えは変わらなかった。
川が運転席の横から言った。
「あと20分ほどです」
「もっとくけないのか?」
「全にける範囲で急いでいます」
尚弥は何も言わなかった。さやは隣で黙っていた。数分、さやがい声で言った。
「なおや、私、病院までかない方がいい?」
尚弥は窓のを見たまま答えた。
「今は何も聞くな」
さやは黙った。
横浜臨医療センターに着くと尚弥は受付までほとんどった。
「黒川みおの族です」
職員が確認し、救命センターの待エリアへ案内した。そこに井富美子がいた。ベンチからちがった。さやも入りまで来た。
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井はそこで初めて彼女に気づいた。線がさやの顔から旅用のキャリーケースへ落ちた。何も言わなかった。その沈黙の方が尚弥に突き刺さった。さやが先にをげた。
「井さん、みおさんのこと本当にらなくて……」
井はく答えた。
「今は奥様の治療が先です」
責める言葉ではなかった。それでもさやは続けられなかった。尚弥は2のに入らず受付へ向かった。尚弥のコートにはまだホテルのタグがついたままだった。井はそれに気づいたが何も聞かなかった。尚弥も説しなかった。今までならさやが気まずくならないよう何か言ったはずだった。今回はしなかった。
づく。みおは……。
井はすぐ答えなかった。
「井さん、術は終わりました」
「それは聞いた。会えるのか?」
「今は集治療です」
「わせてくれ」
「私に言わないでください。先に聞いてください」
尚弥がさらにづいた。
「井さん、何があった?」
井は尚弥を見た。
「それを今私に聞くんですか?」
尚弥のが止まった。井は続けた。
「奥様は昨夜1で救急に乗ってここへ来ました」
「1って……」
「あなたが話になかったからです」
「井さん」
「私もから連絡をもらいました。着いたには術でした」
尚弥は線を落とした。
「話は……」
「病院から何度もしたそうです」
「分かってる、分かってる……」
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井の声がしがった。
「今分かったんでしょう!」
尚弥は言い返せなかった。井は息をえた。
「昨、奥様から私には何の話もありませんでした」
「何……?」
「いつもなら何かあれば言あります。でも昨はなかった」
「じゃあなんでにた?」
井の目が止まった。
「それは私もりません」
尚弥は顔をあげた。
「らない?」
「はい」
「には来てないのか?」
「私は夕方まで本にいました。その帰りました」
「みおは……」
「なくとも私がいるは来ていません」
尚弥は眉を寄せた。みおがなぜあのの夜にをらせていたのかまだ分からない。井はそれ以説しなかった。
「今は先の話を聞いてください」
そこへが来た。術着ではなくに着替えていた。
「黒川尚弥さんですか?」
尚弥はすぐへた。
「そうです。妻は……」
「こちらへ」
は族待へ促した。さやがついていこうとするとが止めた。
「ご族の方だけでお願いします」
さやはを止めた。尚弥も振り返らなかった。
待では簡潔に説した。
「腹腔内血がく、緊急術をいました」
尚弥は黙って聞いた。
「複数箇所からの血は止血できています。肋骨にも骨折があります。部にもい衝撃を受けています」
「識はまだ戻っていない?」
「現点では……」
「助かるのか?」
今は断言できません。尚弥の声が荒くなった。
「助かるんですか!」
は尚弥をまっすぐ見た。
「現点では最も危険な状態を完全に脱したとは言えません」
「わせてくれ」
「なら今すぐ……ただし守っていただくことがあります。