"4回の救急着信と1ヶ月後の離婚宣告" 第13話
さやが言った。く、乾いた笑いだった。
「なにそれ……帰れって?」
「そうだ」
「私のこと急に全部嫌いになったの?」
「今はさやと話したくない」
「でも昨は私のことを守るって言ったよね!」
「聞こえなかったか? 帰れ」
さやは尚弥を見た。目に涙が溜まっていた。
「分かったよ……」
バッグを取った。扉をけるに振り返った。
「尚弥、みおさんの事故まで私のせいにしないで」
尚弥は何も返さなかった。さやはていった。扉が閉まる。尚弥は1になった。さっきまでさやに向けていたりがを失った。彼女の言ったことが1つずつ残った。くって決めたのは尚弥。写真を送ったのも尚弥。話を切ったのも尚弥。どれも否定できなかった。
しばらくして川から話が入った。
「社、今お話しできますか?」
「病院だ」
「承しています。私もくまで来てます」
「何か分かったか?」
川がし黙った。
「事故についてと昨夜の内記録です」
尚弥は子からった。
「来い」
10分、川が待へ入った。ノートパソコンと赤いファイルを持っていた。尚弥の目がファイルに止まった。見覚えがあった。黒川メディカルテックの緊急全対応ファイル。向け製品で荷止や全確認が必になっただけ使う。
「それどこにあった?」
川は机に置いた。
「事故両から回収されたもののにありました」
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尚弥の表が変わった。
「事故から……?」
「はい」
「なんでみおが持ってる?」
川はノートパソコンをいた。
「昨夜、向け製品の部で緊急の全確認が必になりました」
「それは聞いてない」
「連絡しています」
尚弥の目ががった。川は画面を向けた。
「社の会社端末に3回、個端末に1回、管理本部からも連絡しています」
発信履歴が並んでいた。尚弥は黙った。セントーサに着いてから仕事用端末をホテルの庫へ入れた。緊急連絡は川がまとめる。そう決めていた。だが昨夜、川からの着信も見ていた。急ぎならメールが来る。そうって回しにした。
「続けろ」
尚弥の声がくなった。川は説を続けた。
「該当製品は今朝の便でへ荷予定でした。品質保証部が止を求めましたが、必な原本の部が本社になかったのです」
「原本……?」
「このファイルです」
川が赤い表に触れた。「先週、社が鎌倉の本へ持ってっています」
尚弥の記憶が戻った。週の会議資料をへ積んだ。週末に確認すると言って本の斎へ持っていった。そのまま忘れていた。
「昨、管理本部が連絡を受けました」
「みおが……?」
「はい」
「何だ?」
川が記録をいた。
「2112分です」
事故発刻よりだ。尚弥がいた。
「何て答えた?」
「本に原本があるなら自分が取りにくと……」
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尚弥は川を見た。
「井さんはみおは来てないと言ってた」
「井さんが帰られたです」
川は別の記録をした。
「本の警備システム、2148分、管理本部のカードで入館。次、223分、退館。次、2211分、管理本部から品質保証部へ話、原本を回収したので本社へ向かうと伝えています」
尚弥は何も言わなかった。川はさらに画面を切り替えた。
「警察から提供を受けた経とドライブレコーダーの刻も致しています」
図がた。鎌倉、横浜方面、事故現。尚弥の線が赤い線を追った。ホテルでさやとワインをんでいた。みおはあの、本から会社へ向かってっていた。
川はもう1枚、警察からの連絡内容をまとめたをした。
「事故そのものについても現点で分かっている範囲があります」
尚弥が顔をあげた。
「型トラック側は運転のだったと見られています。速度超過も確認されています。みおはドライブレコーダーを見る限り、直に減速して回避しています。無理に追い越したとかそういうのはありません」
川は図を拡した。
「本をた、管理本部はそのまま本社方面へっています。寄りもありません」
尚弥は画面を見た。さやがさっき言った言葉が浮かんだ。『自分でくって決めた』。
事故なんて誰にも予できない。事故を起こしたのはみおではない。それでもみおがあのにそこをることになった理由は記録に残っている。