"年収400万円の総務担当と6000万円の顧問契約" 第1話
私の名は、佐藤美。
齢は、43歳。
勤続12になる商事で、今、私はクビになった。
事部の林さんが、退職を私のにそっと置いた。
そのは、微かに震えていた。
彼は私と目をわせようとせず、線を伏せたままをいた。
「エミさん、これはの決定なんだ」
私は黙って、目のに置かれた類にちらりと目を落とした。
退職は、法律で定められた最限の額で計算されていた。
私はゆっくりと息を吸い込み、彼を見た。
「はい、わかりました」
私はあっさりとペンを取り、類にサインをした。
林さんは、瞬言葉を失ったように目を丸くした。
私がこんなにも素直に応じるとは、っていなかったのだろう。
彼は慌てたようにを乗りした。
「エミさん、本当にこれでいいんですか?」
私はペンを置き、静かに彼を見つめ返した。
「何を言えばいいんですか?」
彼はをきかけたが、結局、何も言えなかった。
私はちがり、自分のマグカップをに取ると、荷物をまとめるために自分のデスクへと戻った。
引きしのには、私物はほとんどない。
保温ボトル、みかけのお茶の缶。
そして、娘のゆいがさい頃に描いてくれた絵。
荷造りは、たったの3分で終わった。
私は、任である営業課の田さんの元へき、引き継ぎを始めた。
パソコンの画面を指さしながら、彼に説する。
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「総務関連の業務フローの資料は、Dドライブの3番目のフォルダね」
田さんは、メモを取りながら頷いた。
私はさらに別のフォルダをいた。
「購買の取引先比較リストは、共サーバーに。経理の次照で使ってるテンプレートは私が個に作ったものだから、事の勤怠管理データも毎ついでに集計してた」
田さんのペンが止まり、彼は怪訝そうな顔で私を見た。
私は説を続けた。
「マーケティング部のイベントスケジュールもずっと私が更してる。技術部のプロジェクト捗管理も私が担当。カスタマーサポートのクレーム分類システムを構築したのも私。社の取締役の議事録もずっと私がいてた」
8つの部署にまたがる私の業務リストを聞きながら、田さんの表が変わっていった。
困惑から驚愕へ。
そして最には、何とも言えない蒼なものへと変わった。
彼は震える声で尋ねた。
「エミさん、これってまさか全部1でやってたんですか?」
私は淡々と答えた。
「ええ。8つの部署の仕事全部ってわけじゃないけど、みんながやりたがらないこと、面倒なことがいつのにか全部私のところに回ってきてたの」
田さんは、私が作った12ページにも及ぶ業務リストを呆然と眺めていた。
彼は顔をげ、すがるような目で私を見た。
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「エミさん、僕1じゃこれは無理です」
私は静かに首を振った。
「だったら、にそう言ってください」
私はバッグを肩にかけ、オフィスをた。
エレベーターホールに向かうと、ばったり林さんと緒になった。
彼は複雑な表で私を見ている。
エレベーターに乗り込むと、彼はいをいた。
「エミさん、正直に言うと、君を解雇する決定をしたのは私じゃない」
私はを向いたまま、彼の言葉を待った。
彼はため息をついた。
「しく来た副社が、組織をスリム化したいと言ってね。君のポジションは、代わりがいくらでもいると判断したんだ」
私は彼の方を向いた。
「どの副社ですか?」
彼は気まずそうに答えた。
「渡辺カイト。先競から鳴り物入りでやってきただよ」
私は静かに頷いた。
「彼は、私の仕事内容を見たんでしょうか?」
林さんは2秒ほど黙ってから、絞りすように言った。
「彼はこう言ってた。ただの総務担当が課クラスの料をもらっているのはおかしいと」
私はさく笑った。
「そう、おかしいんでしょうね」
エレベーターが1階に着き、私は商事の正面玄関からにた。
3のたいがっていた。
傘は持っていない。
私はしばらく軒先でを眺め、タクシーを拾ってに帰った。
12。
あっけないものだった。
に帰ると、娘のゆいはまだ学だった。
私は着替えて、ありわせの材料でチャーハンを作ってべ、パソコンをいた。
失業したのだ。
次の仕事を探さなければならない。