「ただの総務担当なら、代わりはいくらでもいる」――43歳の佐藤エミは、12年間勤めた長山商事を新任副社長・渡辺カイトの判断で突然解雇された。だが会社は知らなかった。総務、購買、経理、マーケティング、技術部まで、8部署をつなぐ業務フローや管理システムを陰で支えていたのが彼女一人だったことを。エミが去った翌日から社内は混乱し、取締役会の資料すらまともに揃わなくなる。それでも渡辺は自分の判断ミスを認めようとしない。一方、失職したエミのもとには、急成長中のコンサル会社から思いもよらない誘いが届く。提示されたのは、年収400万円の“雑用係”ではなく、最低年収1000万円のオペレーションパートナー。そして最初の顧客として現れたのは、皮肉にも彼女を切り捨てた長山商事だった。さらに仕事を追ううち、エミは渡辺が自分を真っ先に排除した本当の理由へ近づいていく――。