"年収400万円の総務担当と6000万円の顧問契約" 第3話
「エミさん、お願いです。1度だけでいいから、会社に戻ってきてくれませんか?」
私は黙って聞いていた。
彼は懇願を続けた。
「この状況をなんとか理するのを伝って欲しいんです」
私は静かに、しかしきっぱりと答えた。
「田さん、私の退職続きはもう終わったんですよ」
彼は必にいがった。
「分かってます。分かってますけど、エミさん、お願いします」
35歳のの男が、話でお願いしますと懇願している。
私は数秒、黙り込んだ。
そして、静かに答えた。
「ごめんなさい」
話を切った、私は転職サイトをいた。
総務課、オフィス、営業アシスタント、3社の求に応募してみる。
43歳という齢で、正社員として雇ってくれる会社はそうくない。
お昼頃、今度は事部の林さんからメッセージが届いた。
『エミさん、しだけいいかな?』
私は返信した。
『はい。どうかしましたか?』
すぐに返事が来た。
『鈴社が、君に戻ってきてほしいそうだ』
私は画面を見つめながら打った。
『どんな条件でですか?』
彼は言葉を濁すように返した。
『まずは度会社に来て話がしたいと』
私は率直な疑問をぶつけた。
『何を話すんです?私のポジションは代わりが利くからってなくなったんでしょう。戻って私はどこで何をすればいいんですか?』
林さんからの返信は、しばらくなかった。
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10分ほど経って、いメッセージが届いた。
『君の解雇は、渡辺副社の独断だったんだ。今になって社も、君がどれだけの仕事を抱えていたかをって愕然としている』
私は続きを読んだ。
『ただ渡辺副社は、あれくらいの仕事は各部署に分担させれば済む話だと今も主張していて』
私はややかに文字を打った。
『じゃあ、やればいいじゃないですか』
彼はすぐに返してきた。
『それができないんだ。どの部署もがりないの点張りで、誰も引き受けようとしない』
私は画面を見つめ、しきつい言い方になるのを承で返信した。
『林さん、きつい言い方になりますけど、12私に仕事が押し付けられていたは、誰もおかしいなんて言わなかった。今になって分担させようとしたら、みんな仕事がすぎるっておかしいといませんか?』
彼からの返信は、もう来なかった。
午3。
転職サイトに着メッセージの通がった。
アークスコンサルティング、総務部ポジション、面接オファーだった。
メッセージの送り主は、蒼太。
アークスのパートナーだという。
備考にはこうかれていた。
『佐藤エミ様、私たちは以からあなたの仕事に注目しておりました。1度お話しさせていただくことは能でしょうか?』
アークスコンサルティング。
経営コンサル業界でトップ3に入る急成企業だ。
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社員は50にも満たないが、クライアントは名だたる企業ばかり。
総務部。
商事で12ただの総務担当だった私に。
転職サイトに登録した最役職はただの担当者。
その私にいきなり部職の面接オファー。
私はメッセージを返した。
『はい、能です』
すぐに返信があった。
『いつがご都よろしいでしょうか?の午10はいかがでしょう?』
私は答えた。
『承いたしました』
夜、私は面接の準備を始めた。
隣でゆいが宿題をしていたが、ふと顔をげて私を見た。
「次の仕事、見つかったの?」
私はパソコンから目をさずに答えた。
「面接の約束が1つ」
彼女は興そうに尋ねた。
「どんなポジション?」
私はを止めて答えた。
「総務部」
ゆいのペンがピタリと止まった。
彼女は目を丸くして私を見た。
「お母さん、は担当者だったよね」
私は頷いた。
「いきなり部?」
私は事実だけを伝えた。
「先方からオファーが来たの」
ゆいはし考えてから言った。
「ねえ、お母さん。の会社で、もしかしてずっと搾取されてたんじゃないの?」
私は答えなかった。
娘は俯いて宿題に戻ったが、しばらくしてぽつりと呟いた。
「なら自業自得だね、あの会社」
アークスコンサルティングは、都の等のオフィスビルにあった。
商事の古びたビルよりずっとしく、洗練された内装だ。
受付の女性に案内されて会議に入ると、そこにいた蒼太という男性は、像していたよりもずっと若かった。