"年収400万円の総務担当と6000万円の顧問契約" 第20話
それは私が温めてきたアイデア。
標準化されたオペレーション診断ツールキットの発だった。
かつて私が商事で使っていた仕組みは、Excelときの文を組みわせたいわばアナログなものだった。
それはそれで能したが、の会社にそのまま導入することは難しい。
今私が作ろうとしているのは、それを誰でもどんな会社でも使えるようにデジタルプロダクトへと昇華させることだった。
さんは私の挑戦を全面に支持し、2の発担当者を私のチームにつけてくれた。
ツールキットの最初のバージョンが完成した、スカイメディアの伊藤社がそれを見て言った。
「佐藤さん、このツールをSaaSプロダクトとして販売すれば、本の企業が顧客になりますよ」
私は何も返さなかったが、彼が正しいことは分かっていた。
その考えはすでにい、私ののにあった。
ある曜の午、さんが私を彼のオフィスに呼んだ。
彼はドアを閉めると言った。
「あなたのツールキット、見ました。これがただのコンサルティングツールにとどまらない価値を持っていることは、あなた自が番よく分かっているはずだ」
私は頷いた。
「はい」
彼は真剣な顔で続けた。
「率直に言って、今のアークスに本格なSaaS事業を展する体力はない。
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だが、もしあなたが本気でやりたいというなら、私が投資を探してきましょう」
私は彼を見つめた。
「私が会社をきくしてアークスから独してしまうかもしれないのにですか?」
彼は苦笑した。
「怖いですよ。だが、あなたは元々アークスというさな器に収まるではない。あなたはパートナーであって従業員ではない。あなたにはもっときな野がある。私がそれを止めることはできない。ならば、共に歩んだ方がいい」
私は尋ねた。
「さん、その言葉、どのくらいから準備していたんですか?」
彼は笑った。
「1ヶからですよ」
その夜に帰り、私はパソコンのでツールキットのプロダクト化に向けた事業計画を、晩で5000字もきげた。
隣で物理の問題を解いていたゆいが、途から私の画面を覗き込んできた。
「お母さん、これビジネスプラン?」
私は驚いて彼女を見た。
「どうして分かるの?」
彼女は得げに言った。
「学の授業で習ったから。もしかして、起業するの?」
私は答えた。
「まだ考えているところ」
彼女はし考えてから言った。
「私は応援する。でも、体だけは事にしてね」
私は微笑んだ。
「分かってる」
彼女は付け加えた。
「それと、もし起業したら私の学の学費配しなくて良くなるね」
私は娘のを軽く叩いた。
本格に起業の能性を検討し始めたその週、予の来事が起きた。
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商事が変なことになった。
それもただ事ではない。
鈴社が臓発作で倒れ、緊急入院したのだ。
田さんから話がかかってきた、彼の声は震えていた。
「エミさん、社がオフィスで突然倒れて、病院に運ばれて術を受けましたが、まだ危険な状態です」
私は言葉を失った。
彼は焦燥しきった声で続けた。
「会社は今、誰もいません。副社の席は渡辺が辞めてからずっと空席のままです。どの部署もこれまでは社の指示を待つだけだった。その社が倒れて、会社は完全に能止しています」
私は尋ねた。
「藤原さんは?」
「藤原さんは、自分は社取締役だから常業務には関与しないと。ただ彼は1つだけこう言いました」
「何を?」
「商事の経営は当面の、鈴社が事に定めた緊急対応プランに従って執する、と」
私は眉をひそめた。
「緊急対応プラン?」
田さんの声がさらにくなった。
「エミさん、社は入院される1週に、ある会社規定の類にサインをしていました。その類に定められた緊急経営委員会の臨議……」
彼はそこで言葉を切った。
「その議の名が、あなたなんです」
私はスマホを握りしめたまま、しばらくち尽くしていた。
「田さん、もう度言ってくれる?」
彼は資料を読みげるように言った。
「社が改定した会社規定にはこうかれています。
社本が経営の責務を遂できなくなった、3名からなる臨経営委員会を設置する。