みかん小説
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"港に妻を捨てた次期社長候補の末路" 第12話

私は黙って聞いていた。

「ホテル会社のなら、察名目で乗ることもある。さんが乗っていたかは分かりません」

瀬は私を見た。

「でも、もし同じに乗っていたなら、話は港での来事だけじゃなくなります」

同じ

体の奥が気にえた。

私は、夫と同じ客でずっと戦をしていた。

けれど、夫がで部ていったは何度もあった。

仕事の話だと言ってラウンジにった夜。

し甲板を歩いてくると言った

私が内ショップを見ている、彼が姿を消した

あの巨のどこかに、さやがずっといたのだとしたら。

瀬がいた。

「美緒さん、クルーズの写真、全部残っていますか?」

「残ってる」

「背景を見直してみませんか?って、撮るつもりのないものをと写していますから」

旅の配に性格がるように、写真にも気づかなかった気持ちがるのかもしれない。

私たちはの奥のさなテーブルに向かいい、スマートフォンの写真を枚ずつ拡して確認した。

デッキの夕内の階段、ビュッフェの皿、窓の

瀬は余計なことを言わず、背景に映る物だけを丁寧に見てくれた。

そして、目の夜の写真でを止めた。

私はその夜、内バーの入りに飾られた豪華なを撮っていた。

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「ここ」

瀬が指差した奥の鏡に、夫の横顔がさく映り込んでいる。

そのすぐ隣に、ベージュのワンピースを着た女性の肩があった。

顔までは見えない。

でも、元にきなパールが揺れていた。

「同じにいましたね」

瀬の声はかった。

私は写真を見つめたまま、息を吐くことすら忘れていた。

夫は私と結婚記の旅に来ていたのではない。

さやを連れて、別の何かを隠すための旅に乗ったのだ。

その夜、夫から話があった。

るか迷ったが、た。

、マンションに戻って来い」

「どうして?」

「母も配している。俺も、これ以こじらせたくない」

「こじらせたのは私?」

「そういうじゃない」

夫がまたため息をついた。

私は目を閉じた。

さんも、同じクルーズに乗っていた」

話の向こうで、い沈黙が落ちた。

「誰から聞いた?」

答えは、それだけで分だった。

「誰から聞いたかが問題なの?」

「美緒。君は今、自分が何をしているか分かってるのか?」

「聞いているだけ」

夫の声がし荒れた。

「俺の仕事に関わることだ」

「妻に黙って、結婚の旅に仕事関係の女性を同じに乗せることが、仕事だと言ってるの?」

夫はすぐに静さを取り戻した。

「いいか。さんは会社の事なパートナーだ。変な誤解で相に迷惑をかけるな」

「迷惑?」

「そうだ。君が騒げば会社にも彼女にも迷惑がかかる」

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私は再び沈黙した。

「私には、迷惑がかかっていないの?」

夫は答えなかった。

私はスマートフォンをに当てたまま、母のの窓のを見た。

通りで自転のブレーキ音が鳴り、誰かが「ただいま」と言っている。

そのさな活の音が、私の背をしっかりと支えていた。

業記パーティー」

私が静かに言うと、夫の息が止まるのが分かった。

「私も席します」

「何を言ってる?」

「夫婦同伴の紹介文に、私の名がありますよね」

「今の状態でられるわけないだろ。定だから」

「美緒」

「会社の顔を守るなら、ご令も必でしょう」

夫はしばらく黙ったうようない声で言った。

「余計なことをしたら、本当に戻れなくなるぞ」

「戻るかどうかは、私が決めます」

話を切った、自分のさく震えていることに気づいた。

がった。

自分でも分かっていた。

パーティーにると言ったものの、そこで何をするか具体に決めているわけではなかった。

ただ、夫が私を「見えない所」へ押し込もうとしていることだけははっきりと分かっていた。

見えない所に入ってしまったら、また彼らに都よく話を作り替えられる。

だから、表にる。

、会社ではパーティーの準備が本格化していた。

のレイアウト、招待客の席順、記映像のチェック、司会台本。

広報部の空気は忙しさで満ちており、私への腫れ物扱いの線はしだけれていた。

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