"追い出された四畳半" 第4話
背筋を、たい刃物で撫でられたような覚がった。 もう、疑いようのない現実だった。 彼女は数から、計画に私の部に忍び込み、証拠を揃えていたのだ。 私というを、この部から、そして社会から法に消しるための準備を。
私は計を見た。午分。 夜勤の勤は午。 残されたは、もない。
私は携帯話を取りし、画面をタップした。 通話履歴の最部、ヶに度だけ、公団の湯器修理の件でやり取りをした記録が残っていた。
『京都宅供公社 窓センター 指導監督課』
通話ボタンを押す親指が、微かに震えた。 コール音が回鳴り、無質な男性職員の声が受話器の向こうから響いた。
「はい、宅管理窓です」
「……あ、あの。区の、千緑町公団号棟の、宇佐美と申します」 私は押し殺した声で、しかし語語を確に発音した。 「私の名義の部について……に覚えのない名義承継の類が作成されているようなのです。今すぐ、確認していただけないでしょうか」
話の向こうで、キーボードを叩く乾いたプラスチック音が数秒続いた。 やがて、男性職員の声のトーンが、わずかにく、事務なさを帯びた。
「……宇佐美茜さんご本ですね?」 「はい」 「宇佐美さん、実はですね。あなたのお部に関して、先週、部から『特定の居実態に関する申告』がておりまして。
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ちょうど公社の監察課が調査に入ることになっていた案件です」
臓がきくねた。 「申告……ですか?」 「ええ。ですが、詳しいお話はお話では致しかねます。ご本確認類をお持ちの、本の午、窓までお越しいただけますか」
「きます。すぐにきます」
私は話を切り、コートを羽織った。 居からは、莉緒が誰かとスピーカー通話で談笑している声が漏れ聞こえていた。
「……うん、拓真くん。丈夫、あの女、何も気づいてないから。今夜、荷物まとめてにしとくね。鍵も付け替えちゃえば終わりだしさ……」
私は息を殺し、音をてずに玄関の鍵をけた。 は、たいのが、依然としてアスファルトを激しく叩きつけていた。
公社の窓がある千の同庁舎までは、自転で分。 具を着る暇さえ惜しかった。 たい粒が顔を打ち、界を滲ませる、私はペダルを狂ったように漕ぎ続けた。 錆びたチェーンがギシギシと鳴をげる。
窓の相談ブースは、え切った蛍灯のに照らされ、埃っぽいの匂いが充満していた。 応対にたのは、矢代という代半ばの、眉にい皺を刻んだ監察官だった。
「宇佐美茜さんですね。こちらが、昨付で提された類の写しです」
矢代が無言でテーブルのに滑らせたクリアファイル。
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そのを見た瞬、私は自分の目を疑った。
ベランダに隠されていた『名義承継申請』の原本が、すでにそこにあった。 だが、それだけではなかった。
『親族同居承認申請』 『婚約証および同居承諾』
添えられた類には、桐原莉緒が私の『従姉妹』であり、その婚約者である須藤拓真とともに、病な私と同居して介護をうという、真っ赤な嘘が然と並べられていた。 そしてすべての類に、私の実印と、今朝盗まれた印鑑登録証の番号が記載されていた。
「宇佐美さん」 矢代監察官が、鋭い線で私を見据えた。 「この類によれば、あなたは度の神経痛により就労が困難となり、従姉妹である桐原氏とその婚約者に名義を譲り、ご自は実質な扶養を受ける、となっていますが……事実ですか?」
「全部、嘘です」 私の声は、自分でも驚くほどく、震えていた。 「私は物流倉庫で毎フルタイムで働いています。桐原莉緒は親族でも何でもありません。ただのの同級です。私はこの類を度も見たことがありませんし、署名もしていません」
矢代は元のメモをらせ、さく息を吐いた。 「やはりそうでしたか。実はね、から、この須藤拓真という男の周辺について、別の公関から照会が入っていたのですよ」
矢代が引きしから取りしたのは、枚のい調査報告だった。
「須藤拓真。